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自己紹介|子育て支援を13年。これまでとこれから

助産師、保健師、看護師として子育て支援に携わり13年。
延べ約1万件程の相談を受けてきました。
3つの国家資格の勤務経験があり、今は行政保健師をしながら個人事業(子育て支援)もやっているというちょっと珍しい経歴かもしれません。

よく、「なぜ事業をやることにしたんですか?」と聞いていただくので、これまでにどんなことをやってきたか、そしてなぜ公務員(保健師)を辞めてまで事業をするに至ったかをまとめてみました。

助産師、保健師、看護師の3つの資格について

まず、この3つの国家資格の違いをよくご存知ない方も多いので簡単に説明させていただきます。
(日本看護協会の説明を参考にしました。)

・助産師
妊産婦への保健指導や出産の介助、産後の母子のケアが業務の中心。
病院勤務が大多数で、他には助産院や公的機関で働く助産師もいる。

・保健師
一般に馴染みがなく、よく仕事内容を聞かれるのはこの保健師という仕事。
保健師は、人々が健康な生活を送れるように保健活動を行うのが主な業務。
保健所・保健センターなどの公的機関で働く保健師が多く、全年齢の人が支援の対象。
子育て支援の分野でも業務は多岐に渡り、例えば赤ちゃん訪問や乳幼児健診、虐待予防などを行っています。
一般的な育児については全て相談にのってくれる他、子育て制度にも詳しいです。

・看護師
多くの方がご存知の通り、傷病者やじょく婦(産後間もない女性)の療養上の世話をしたり、診療の補助を行う仕事。

尚、保健師、助産師、看護師として働くためには国家試験の合格が必要です。
助産師、保健師は看護師の資格にプラスして取得するものなので、助産師や保健師として働く人は全員、看護師の資格も持っています。

私の場合は、大学を卒業するタイミングで助産師、保健師、看護師の3つの国家試験を同時に受験し、運良く全てに合格(しんどすぎました)。
最初は念願だった助産師として働き始めました。

1.女性の役に立ちたくて助産師になる

助産師を目指した背景としては、私の家庭環境にあります。
私の母は小学校で養護教諭をしていて、当時の女性には珍しく私が0歳の時もフルタイムで勤務していました。

当時の母は、私が小学生の頃には毎晩19時半~20時頃に帰宅し、それから急いで夕食を作り、入浴をし、洗濯をし、私と弟に声をかけ、翌日の支度をして…という、本当に多忙な毎日を送っていました。
私も2児の母となった今ではその大変さは容易に想像できますが、本当に大変だっただろうし、辛かっただろうと思います。

そんな母の姿を見ていたせいなのか、高校生の頃から自然と「女性の役に立ちたい」という想いを抱くようになりました。
今となっては助産師以外の選択肢もあっただろうとは思うのですが、当時高校生の私は赤ちゃんが好きだったこともあり、単純に「助産師だ!」と思ったんですね(笑)。

助産師の仕事内容は前述の通りで、大学病院で勤務していたこともあり、様々な経験をさせていただきました。
助産師は命を扱うとてもプレッシャーのかかる仕事ではありますが、その分、一生でとても大切な瞬間に携われる尊い仕事だと感じていました。

ただ、助産師をする中で残念だったのは、1人と方と接する期間がとても短いことです。
出産経験のある方はご存知かと思いますが、出産のための入院はせいぜい一週間前後。
そのため、妊娠中に両親学級をやったり、退院するまでの数日間で赤ちゃんのお世話についてお伝えするのですが、短期間なのでほぼ子育て初心者のまま退院になりますよね。

ですが、実際には家に帰ってからが本番です。
色々なことに言えることですが、やはりやってみて始めてわからないことって出てきますよね。
でも、当然ながら家に帰ったら助産師はいないわけです。
実際、わからなくてもすぐに聞くことはできないし、ネットで調べても本当かどうかわからないし…
と不安になっているお母さんはたくさんいます。

私は、出産そのものを手伝うことよりも、退院してからもお母さんたちに長く寄り添いたいという想いが強くなっていきました。

家に帰ってからも、安心して、心に余裕を持ちながら子育てをしてもらいたい。
そのために、困った時に気軽に相談できて、信頼できる存在を目指したいと思いました。

そこで、退院した母子が帰っていく地域で活動できる、行政の保健師になることにしました。

2.身近で信頼できる相談役を目指して保健師になる

とはいえ、行政の保健師は公務員試験に合格しなければなれないので、まずは自宅近くの政令指定都市で臨時保健師(フルタイム)として就職。

この時は母子保健の中枢的な課に配属になり、乳幼児健診や医療援護事業(不妊治療女性、未熟児の赤ちゃん、難病の子などに対する事業など)の管理や審査などの業務を中心に担当していました。
直接市民の方と接する機会は少なかったものの、間接的にお母さんや子どもたちの支援ができていると感じていたため、「このまま採用試験を受けるぞー!」と意気込んでいました。

しかし、ここで今の夫と結婚することになり、なんと当時住んでいた神奈川県から大阪府に引っ越すことになってしまいました。
そのため、採用試験は受けずにたった一年で退職。
今思えば、この時から家庭とキャリアの両立にたくさん悩んできました。

3.結婚&夫の転勤で…小児科看護師になる

当時の夫は転勤族だったため、保健師になるのは一旦諦め、同じく地域で寄り添うことのできる小児科クリニックの看護師になりました。
そのクリニックの女性医師は厳しいけれどとても子ども想いな方で、私に助産師外来という新しい業務を作ってくれました。

一般的な助産師外来は、妊婦健診や妊産婦への保健指導などをやるものですが、このクリニックでは主に授乳指導や赤ちゃんの体重増加についての指導などを行う外来をそう呼んでいました。

この時サポートしていたお母さんたちは、家庭の事情や体重以外のちょっとした悩み事なども相談してくださっていたので、とてもやりがいを感じていました。

しかし、結局、しばらくして関東に戻ることとなり、また保健師を目指すことになりました。

4.妊婦で公務員試験に合格し、また保健師になる

大きなお腹で公務員試験を受け、生後8ヶ月の長女を抱えて、また保健師になりました。
今度の配属は子育て支援センターで、念願だったお母さんと子どもに直接支援できる様々な業務を担っていました。

ただ、行政の仕事は私が想像していたのとは少し違いました。
実は、保健師は健康な母子に接する機会はそれほど多くありません。
安全な環境で発育に問題なく育っていれば、基本的には母子手帳を発行する時と、赤ちゃん訪問や健診で会うだけです。

というのも、行政は「子どもの安全を守る」ことが仕事。
そのため、時間を割いている業務は、やはり虐待予防、病気や障害などを持つ母子への支援です。

また、私が働いている政令市では、上記に該当する家庭だけでも一人の保健師が常に100~200件前後を担当しているため、単純にその他の家庭とゆっくり関わる時間はとれません。

でも、子育てを大変に思っているのはほぼ全員ですよね。
特に、近年は仕事との両立に苦労する方が多く、母子手帳を取りに来た段階で保育園の心配をされる方もしばしばいらっしゃいます。
毎日、眠くても朝起きて、子どものペースを見守りながら急いで支度をして、保育園に連れて行って、一生懸命働いて、帰ってきて夕飯を作って、寝かしつけて、子どもが寝たら洗濯や翌日の準備・・・

実は、この時の私自身もなかなか多忙な生活を送っていて、週の半分は21~22時まで残業、さらに土曜日は毎週サービス残業、という日々でした。
余裕がなくてイライラしたり、体調を崩したりすることもありましたが、家族で踏ん張るしかありませんでした。

こんなに頑張っている親たちの精神的な支えになるのは、基本的に家族だけです。
時間がない中で、専門的なこと、医療的なこと、制度のことをネットやSNSやで調べ、不確かな情報に振り回されている方がたくさんいます。

私は、そんなお母さん、お父さんたちを手助けすることはできないかと考え始めました。

5.大丈夫に見えて本当は悩んでいる。全ての親子に寄り添うために事業を始める

起業を決意したきっかけは、ある先輩保健師の一言でした。
「子どもと夕飯食べるのなんて、もう諦めてるよ~(笑)」
悲しいですよね。
子どもと夕飯を食べないのが良くないという話ではなく、「本当は一緒に食べたいけど諦めている」という状態が普通になっているのが悲しいです。

「仕事ややりたいことをやりながらも、子どもと過ごす時間もほしい。」
そう思って当然なのに、それが難しい社会なのが悲しいです。

その現状を少しでも変える力になりたいと思い、コーチングによる精神的なサポートを土台に、お母さんや女性を対象に子育てと副業の両面をサポートするお仕事を始めました。

最初は個人で活動していましたが、現在はDUAL STORYの講師として子育てやパートナーシップのサポートをしています。

DUAL STORYでは、LINEで気軽に相談できるサービスも行っていて、子育て制度を理解するセミナー動画を観ることができます。

公務員(正職員)は副業NGなので退職しましたが、ありがたいことに同じ自治体で非常勤の保健師として採用していただいたので、ダブルワークになりました。

今後は、たくさんのお父さんやお母さんが
「仕事ややりたいことをやりながらも、子どもと過ごす時間もほしい。」を実現できるような体制を整えていきます。
また、保健師の知識を活かして子育て制度を上手く使えるようにするサービスも提供していきたいと思います。

noteでは、子育てと仕事の両立に役立つ情報を随時更新します。
よろしくお願いします!




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