見出し画像

【第0回】不眠症が治ったから、不眠症のことを忘れないうちに書き留めておきます。

34歳で不眠症になりました


はじめまして、鈴木円香と申します。

いきなり年齢を書くのも変ですが、流れ上書いておくと、今41歳です。

もともとは出版社で本をつくる仕事をしていましたが、9年前に独立してからは女性メディアの編集長やったり、TVのコメンテーターやったり、地方創生プロジェクトをやったり、広報PRの会社を経営したり、いろんなことやってきました。そして、そのつどいろんなテーマで情報発信をしてきましたが、このnoteでは、ただただ「不眠」のことだけを書いていこうと思います。

私が、不眠症におちいったのは34歳くらい。

31歳で娘を産んで、32歳で会社を辞めて独立して2、3年がたった時期だったと思います。

多忙な生活から(この「多忙」の正体については後々因数分解していきます)、夜、眠れない日が続いて数週間が経ち、「もう無理だ、とりあえず薬をもらおう」と近所の精神科を受診しました(追々詳しく書きますが、それが最初の大きな誤りでした)。処方してもらった「ごく軽く、耐性も付きづらい入眠剤」の1mg玉を、毎晩1錠ずつ飲み始めました。

そこから3年ほどの間に状況はどんどん悪化。

どん底だったコロナ到来直前の頃には、記憶力が低下し仕事の打ち合わせをしている目の前の人の名前を思い出せない、身体中が痛くてカバンが持てずキャリーバックを引いてタクシーで移動するしかない、土日はつらくて布団から起き上がれない…という状態になっていました。

当時、私は37歳。

「このままでは、40歳を迎えられない気がする…」

土曜の朝、布団から起き上がれずにいた私のところに、まだ保育園児だった娘が「ママ、大丈夫?」とウィダーインゼリーを持ってきてくれた時、そう思いました。

人間、喉もと過ぎれば…だから書いておこうかと


その後、「なんとか無事に生きて40歳を迎えるぞ」と一念発起して始めた2年間の治療と、生活習慣の改善により、入眠剤なしで「自分の家の自分のベッドでならほぼ確実に毎晩6時間ぐっすり眠れる」という状態にまで回復しました。

今も、睡眠に関してはかなり神経質な方で、

・完全に一人でしか眠れない
・翌日にテレビ出演など緊張しそうな仕事があると寝れない
・旅行先や出張先で眠れない
・仕事の会食や初対面の人との飲み会の後は眠れない

などの制約はあるものの、不眠症はほぼ完治したと言えます。

よく眠れるようになってやっと湧いてきた気力と体力。

これを「不眠症」という日本中の人、いや、世界中の人が悩み続けている問題に少しでも使いたい。そう思いました。

とはいえ、人間は「喉もと過ぎれば…」のいきものです。

当時はどんなにつらくても、哀しいかな、やがて忘れてしまう。

私も今は毎朝、ぐっすり眠れることを心から感謝して、その幸せを噛み締めながら生きていますが、10年後には感謝の心なんて微塵も持ち合わせていないかもしれない。

だから、記憶が生々しいうちに、書き残しておくことにしました。

メディアで書きづらいことも書いていきます


私は社会人になってから、ずっとメディアの人間でした。

出版社で本をつくり、編集長として無数のweb記事を手がけてきました。ネットTVにも地上波にも出てきました。その経験から、「不眠症」という医療テーマをメディアで扱うことがどれほど制約が多く、難しいかを身にしみて知っています。

治療の詳細、薬の種類、効果の有無…など、書けないこと(あるいは、メディアが勝手に自主規制していること)がたくさんあります。

だから、このテーマはnoteで書き切ろうと考えました。

飲んでいた薬の種類や量、服用を続けて私の身体に起きたこと。主治医とのやりとり、治療の過程で試したいろんな代替療法や民間療法。社名や媒体名を背負っている編集者からは「そこはちょっと表現をぼかしてください」「あくまで個人の感想・見解と明記してください」などと赤字を入れられてしまうようなことも、不眠症で悩んでいる人の役に立ちそうなことは何でもはっきり、正確に書いていきます。

読んでくださる方は、ご自身の理解と責任において読んでいただければと思います(すべての情報はそうあるべきという立場ですが)。

「不眠フレンズ」がゆるく繋がるといいな


不眠症のどん底にいた頃に、一番つらかったこと。

それは、つらさをわかってくれる仲間がそばにいなかったことです。

布団に入って1時間を過ぎても眠気がまったく訪れてきてくれないと、「ああ、今日も眠れないのか」と心臓がバクバクしてくる。

「でも、横になっているだけで少しはマシだから」と自分に言い聞かせて目をつぶり続けるものの、ふと時計を見ると全然時間が経っていなくて「うとうとさえできなかったのか」と知る悲しさ。

やがて、窓の外がうっすらと明るくなってきて、明けガラスが鳴き出した時の、「ああ、今日もダメだったか…」という絶望感と共に押し寄せてくる節々の痛み。

そういうことを、一緒に分かち合える仲間がいなかったこと。

「それ、わかるよ」と頷いてくれる仲間がいなかったこと。

時間のある週末などに、月2本くらいのペースで書き続けていこうかなと思っているこのnoteが、かつての私がほしかった、そういう仲間的な存在になってくれたら嬉しいです。

このnoteを起点に、「不眠フレンズ」が横にゆるくつながり、「それ、わかるよ」のうなずきが広がっていけばいいな、と。

そんなわけで、細く長く続けていくつもりです。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

【補足】イラストについて:このnoteのイラストは友人のデザイナー、rinoちゃんが描いてくれました。バナーは「不眠フレンズ」の一人、「どうしても眠れない目バキバキ猫」、通称「めバキねこ」です。不眠症に一人で悩んでいるのはかわいそうと、rinoちゃんが他にも「不眠フレンズ」を考えてくれているので、だんだん登場させていこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?