
英国庭師修行日記(7) 太陽と大地を感じて
キルクルスメルマガNo.67
<2025年2月21日配信>
太陽と大地を感じて
この日はドイツ人庭師のフランクとボランティアのスーと一緒に仕事をすることになった。
仕事場所はハウスの裏手にあるパーテアー(parterre)と呼ばれる庭。
裏手と言っても、ここがウォデスドン・マナーで一番の見所である。
そこでは、カレーの匂いのする植物、カリー・プラント(curry plant)を植えた。
作業が終わっても、家に帰ってシャワーを浴びても付いてくるカレーの香り。
このハーブは名前のイメージとは違い、カレーには使わず、スープやピクルスなどの香り付けに使うという。
「こうやってポットから植物を取り出し、スコップで花壇に穴を掘り、その穴に植物をそっと入れたら土をかけて平らにするんだよ」
とフランクは一つ一つ丁寧に実演をしながら教えてくれた。
スコップ一つ分の間隔で2列にジグザグになるよう、交互にきれいに植えていかなくてはいけない。
見ていると簡単そうなのに、初めてで緊張しているせいか、バランスを取るのも難しかった。
「お隣同士のお互いの関係を考えてあげるといいのよ」というスーの言葉に、なんとなく勘がつかめた気がした。
「葉っぱが手を伸ばしているんだからきっと仲良し同士手を繋がせてあげればいいんだ!」
午前中はこの広い花壇に100株以上を植えた。
午後からはカリー・プラントの隣の花壇に、白っぽい緑のシルバープラントと呼ばれるセラスティウムを植えた。
長い時間、外で風や太陽を感じながら土と植物に触れていると、手から足から、たくさんのエネルギーが体内に入ってどんどん元気になるような感じがした。
(つづく)
連載「英国庭師修行日記」第2話 初めての庭仕事(アロマトピアNo.122 2014年)より一部改訂

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