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カードゲーム基礎力をつける・おすすめ読書リスト
#一般TCG理論 参考文献集ということで、過去記事で引用したもの中心にカードゲーマーの基礎力に繋がっていると私が感じているものを挙げていきます。多分ぱっと出ないだけでもっとあるので、思い出しながら適宜追加します。
図書の推薦も大歓迎です。私にメッセージしてくれてもいいですし、 #カードゲーマー読書 タグでおすすめのものを発信してみてください。
以下の順番でまとめます
①ゲーム理解系
我々がプレイしているゲームの性質や現れる数字はどういうものなのか
↓
②判断系
実際そこで意思決定をする人間はどうふるまうか(自分も含むがどちらかというと他者、人間全般について。)
↓
③ツール系
それをどのように活かすのか(どちらかというと自分、理解からどう勝つか。)
ゲーム理解系
数理的なもの中心に、確率や論理のゲームを理解するためのおすすめ。具体的な本よりは学んでおくといい内容の紹介なので、同じ内容の別の本が良さそうだと思ったらそれでもいいと思います。
ゼミナールゲーム理論入門
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囲碁将棋とTCGってどう違うの?とか、ベストな判断をお互いにすると想定したらどんなゲームになるの?などがわかる。カードゲーマーのよく言うプレイの一貫性なんかは、ゲーム理論の「信念」の再発見だと思っている。先人がより高度にまとめてくれているのを車輪の再発見しているところがTCG界隈にはあると思うので、しっかり体系建てて一回勉強すると便利。
ゲーム理論て書いてあるのでなんか難しそうな印象があるかもしれないが、数式はほとんど出てこなくて簡単だったと思う。
理工系の数理 確率・統計
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確率・統計の基礎として。もっと簡単そうなのにしたかったが、学部の教科書だったこれしか覚えていない。数式がいっぱい出てくるので、他のもっと簡単なのでもいいと思う。以下の二つのワードはカードゲーム基礎教養としてどっかで押さえておいてください。
①条件付き確率
②有意水準
条件付き確率は、「〇〇が起きたとき××である確率」というもの。いい初手の確率を頑張って計算している人はちらほら見かけるが、多くが手段が目的になり、本当の目的である「勝つ確率」から遠ざかってしまう印象。なんの条件の確率を求めていてその条件下でどういう事象が起きるか、という議論ができると有意義。
有意水準は、偶然勝ったのか、実際に強くて勝ったのかを確率で示すためのもの。確率は重視されるのに(多分単純化すれば簡単だから)、統計や検定はいまいちちゃんとやられない印象あるのでちゃんとすると差がつく、と思う。
記号論理入門 (哲学教科書シリーズ)
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そもそも論理とはなんぞという話。推論の道筋を立てる方法、述語の方法論として一度人生で勉強しておくといいと思う。
簡単な人にはとても簡単だし、難しい人には難しいらしいので、難易度はなんとも言い難い。難しいと感じる人ほどやるべきなんだろうけれども。
判断系
ファスト&スロー
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行動経済学の大家、カーネマンの代表作。人間は直観(システム1)と推論(システム2)の両方を持っている。それを感覚派、論理派と分けてしまう風潮はざっくりしすぎている。判断のメカニズムについて。
行動経済学の逆襲
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多分これまでで一番引用してきたやつ。
市場で人間が合理的にふるまうという現実離れした前提から、実際の人間の行動を認知心理の観点から分析する行動経済学のドキュメンタリー。行動経済学の主要トピックに触れられ、物語としても面白いのでとてもおすすめ。
自分のおかしい判断に気づいたり、人の判断の作るメタゲームがどういうものか知るために。
知ってるつもり――無知の科学
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自転車に毎日乗っているし、構造もなんとなく理解している気がするが、改めて説明しろと言われるとわからない…似た経験が誰にもあるはず。わかってるはずのデッキが見たことない盤面になって負けたあああみたいな。知っているつもりを解明しよう。
ツール系
わが投資術 市場は誰に微笑むか
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バリュー投資(割安株への投資)についての本。実際の価値より低く見積もられているものを見つけてコミットする。
誰から見てもいいものではなく過小評価されているものを見つけるのはまるでオリジナルデッキのよう、多くの共通の観点が必要になる。デッキビルダーにはおすすめ。
いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学
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人間の機能である、対象に集中力を向け他から集中を遠ざけるトンネリングについての本。日々の時間のマネジメントから、競技中のパフォーマンス低下まで様々な状況に。
因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか
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どうすれば因果関係があるといえるか?物から手を放しら下に落ちる、とかならいいが、水道が原因で病気になるというには?病気になる人もならない人もいるし、他の原因を排除するのも難しい。交絡はどのように働き、どうすれば解消したと言えるか。
上の内容がすごいためになるし、相関関係の影に隠れて軽んじられていた因果関係が注目されるまでの歴史も面白い。以前は相関関係で説明可能な対象とされる領域が誇張されていたと述べられているが。因果推論ブームの今は何でも万能薬のように因果推論と言えばいいわけじゃないと苦言を呈す人をよく見かける。なんなら自分も、TCG界隈では言語化や確率が神聖視ではないが、過度に万能扱いされていると苦言を呈している…人の性か。
論理哲学論考
哲学探究
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二冊セットで。「 およそ語り得るものについては明晰に語られ得る しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない」と述べた論考を撤回して、論理よりも曖昧な家族的類似性という概念でゲームを語る哲学探究。論理や言語の過信は身近にあるが、その撤回のプロセスを哲学界の偉人のもので体験できる。言語化とはなにか、論理はそれとどのように関連するか。
論考はとても難解だが探求は普通に読める。
一旦以上、思い出したり、いいものに出会い次第追加予定
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