【フランスで子育て】 幼稚園・クラス運営についての説明会③ 普段あまり話さない先生と話したはなし
こんばんは。
マダム・シュークリームです。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
本日、パリ交通公団がストライキを行っているので、パリとその近郊の街は朝から大変です。
メトロやバスがいつも通りに動かないので、夫はいつもより早く仕事に行っていました。(ちゃんとたどり着けたのだろうか…)
朝、アパート下で中学生か高校生くらいの男の子のお父さんが、お子さんの自転車のメンテナンスをしていました。おそらく、本日は混乱が生じそうなので、自転車で通学することにされたのだと推測します。
子どもの幼稚園の学童・給食は、ストライキには参加されないようですが、一部の学校では行われているようです。
さて、本日も前回の記事の続編です。(過去の記事は下記の通りです。)
長々と続いておりますが、この内容は今回で完結しますので、お付き合いいただけると嬉しいです。
【前回までの簡単なあらすじ】
フランス現地幼稚園でクラス運営についての説明会が、放課後に行われるという案内がありました。その日、夫は不在なので、私が出席することに。そこで、子どもを初めて放課後の学童に預けることになりました。
当日、説明会に参加し、その内容は何となく分かるのですが、先生の話し方があまりにも速く、圧倒された私。何とか必死にメモをとりますが、説明会が終わると電池切れの状態に。そこで、今後の不安感が増してしまい…
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説明会が終了し、子どもを学童の教室まで迎えに行きました。元気な子どもが部屋から出てきました。その顔を見て、安心しました。
子どもに荷物はどこにあるのか尋ねると、"幼稚園での教室の前"と答えたので、もう一度、先ほどまでいた教室の方へ戻ることに。
すると、先生が教室の中で後片付け(?)をされていました。
子どもの姿に気づいた先生は、
「〇〇!今日のおやつどうだった?」
と、話しかけてきてくださいました。
私は、このタイミングだ!と思い、
思い切って、最近私の考えていることを先生に切り出してみました。
私
「先ほどの説明会、ありがとうございました。」
先生
「どうでしたか?わかりましたか??」
私
「全部ではありませんが、
だいたいは… 分かったと思います。」
先生
「そうですか。笑」
私
「それで… 内容を聞いていて、
子どものフランス語力について
不安に思ってしまったのですが…
先生はどう感じられていますか?」
ここからは会話形式はやめますね。
先生が説明してくださったことは、
・子どものフランス語力は確実に向上している (昨年 ほぼ0からのスタート)
・2つの言葉を学んでいるのだから、母語がフランス語の子と比べてはいけないし、フランス語が同年代の子より劣ってしまうのは当然のこと (子どもの母語は日本語)
・今の子どもの状態であれば、心配する必要はない
とのことでした。
しかし、ここでも安心しきれない私は、その原因を話してみました。(しつこい…笑)
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説明会の数日前、
お迎えに行った夫と子どもから、"あるはなし"を聞きました。
それは、先生がクラスメイトの前で子どもに、「何か日本語を書いて。(厳密には"漢字を書いて")」と言ってきたそうです。
子どもには、その意味が分からなかったそうです。
幼稚園は当然フランス語オンリーです。まさか、そこで日本語を求められているとは思わなかったようです。フランス語で説明しなければ、と考えたのかもしれません。それは確かに難易度が高すぎる…
子どもは、みんなの注目を集めていることに恥ずかしくなってしまったのと、先生が言っている意味が理解できなかったため、
「家で (日本語を)やっていない…」
と答えたそうです。
それに驚いた先生が、お迎えに行った夫に
「家で日本語を話したり、教えられているんですよね?」
と、聞いてこられたそうです。
その一連の話を夫から聞き、
子どもにもその時の様子や気持ちを聞きました。
その時、私は正直ショックを受けました。
同時に、子どもの"セミリンガル現象"や”ぼうふら現象”を疑いました。
子どもは普段は見せないけれど、実はフランス語の波に溺れかけているのではないだろうか・・・と。
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先生に、その件について話してみました。
先生は、"あぁ!" と、思い出したように話してくださいました。
普段、私たちが連絡帳に使っているサインの"漢字"を、子どもにもみんなの前で書いて欲しいと思ったそうです。
"世界には色んな言葉がある"ということを、母語がフランス語であるクラスメイトの子達に知ってもらう機会を先生は設けてくれたのだと理解しました。
同時に、子どもがみんなの前で、「家でやっていない」と答えた意味も理解できたように思いました。確かに、漢字はまだ教えていなかったからです。
私は、先生に対し、下記のことを説明しました。
・家では日本語を話し、日本語を教えていること
・日本語には3種類のアルファベットのような文字があり、それはひらがな、カタカナ、漢字というもの
・それは順に習得していくもので、まだ子どもには私たちが使うような漢字は教えていないこと
先生は、"なるほど…" といったように、私の拙いフランス語に耳を傾けて聞いてくださいました。
そして、子どもにはこの一連の内容を、日本語で説明してあるので、またこのような機会があれば、ぜひ子どもに披露させてやってください、と先生にお願いしてみました。
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このようにして、思い切って私の不安の原因を話してみたことは正解だったように思います。先生の日本語の文字に対する認識と、今の子どもができる日本語の読み書き能力にはズレがあったことが分かったからです。
それを踏まえた上で、もう一度聞いてみました。
子どものフランス語力は大丈夫だと思いますか?
家では日本語を教えていますが、
このまま続けても大丈夫なものでしょうか?
(とはいっても、やめる気はさらさらないのですが)
家での子どもの様子は分かっても、やはり幼稚園での様子は分かりません。先生が一番分かってくださっていると思うので、子どもがフランス語の波に溺れているのか、いないのかを、先生の目線でどう思っていらっしゃるのかが知りたかったのです。
先生は、「大丈夫です。」と答えてくださいました。
「フランス語を教えるのは、私たちの役目です。
逆に、私は日本語を教えられません。
それをやっているのはあなたなのだから、
家では日本語を教えてあげてください。
私はそれが大切だと思っています。
お子さんの日本語の基礎がないと、
おそらくフランス語も伸びていきません。
今のところ、フランス語は伸びていると思うので、
これからも日本語を家でしっかり教えてあげてください。」
話しながら、涙しそうになりました。
目がうるむ。。。
一度は思いとどまったけれど、
思い切って先生に相談してみて良かったと思いました。
そして、今まで通り、私たちの歩幅ではありますが、子どもに日本語を継承できるように頑張っていこうと、思いを新たにしました。
おまけ記事と思っていたのですが、長くなってしまいました。
毎日、色々と葛藤しています。苦笑
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました😊
A la prochaine !
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