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鰆の粕漬

魚の中で一番好きかもしれない鰆。

うちの祖父は生前、静岡県の御前崎っていうところで漁師をしていて、お正月に祖父母の家に行くと、大皿にで~んって、刺身が盛られていたんです。

鰆って春っていう字が使われていていますが、関東では12月から2月位までが旬で、身が引き締まって、脂のりもトロに負けない。白身魚と赤身魚の良い所取りで、本当に絶品。

唯一、足が速いという弱点があって、刺身で食べられる期間が短いんですが、ムニエル、粕漬、バター焼きなんかにしても美味しいお魚ですよね。

ってことで、鰆の粕漬です。

粕漬けなのに、鰆なのに、何で、こんなにこげ茶なの?と思われるかもしれませんが、実はこの粕床、金太郎で有名な、神奈川県の足柄山の麓にある酒蔵、川西屋酒造店の酒粕を、常温で5年寝かせたものを使っているんです。

なんで、常温で5年間も寝かせることになったかというと、初めて蔵にお邪魔した時、
『酒粕、持って行かない?』
と言われ、20キロの酒粕を頂くことに。

当然、冷蔵庫に入らず、とりあえず、冬だし、日陰で冷たい玄関に置くことに。

それから暫くして、恐る恐る食べてみると、前よりも美味しい!
そんなこんながあったり、もしかしたら、「酢が作れるかも?」という期待もあって、味を見ながら、寝かし続けたのがこの酒粕なのです。
もう、アミノ酸バリバリ♪

しかも、私の地域では有名な魚の粕漬けやさんが、この蔵の酒粕でお魚を漬けているとか。(粕漬やさんが言っていました)
そりゃ、鰆を漬けるよね?

ただ、それ以外はいたって普通の粕床で、酒粕によって、甘い、甘くないとかはあるかもしれませんが、どんな酒粕でも美味しく作れると思います。

【材料】
鰆 (他のお魚でもいいです)
酒粕
味噌 西京味噌、伊予味噌など、甘め推奨 
砂糖 お好みで
醤油 (昆布だし醤油を使う時もあります)少々

【作り方】
①粕床を作る
基本の粕床の作り方は、こちらで紹介していますが、今回は、塩ではなく醤油を使っています。お好みで調整してください。

②丁寧にされる方は、ガーゼなどでお魚を包み、更に、サランラップに粕床を敷き、お魚にまんべんなく粕床が行き渡るようにくるんで、冷蔵庫で半日以上つけてください※1

③寝かせた粕漬から、粕床を落し(お魚だけにして)、フライパンやグリルで焼いてください。
私は、フライパン用のアルミホイルに包んで、グリルで火を通し、最後に焼目をつけることが多いです。

※1
冷蔵庫で半日以上って書いたのですが、私の場合、鰆が安い時に買い、買ったらすぐに粕漬けを作り、冷蔵庫ではなく冷凍庫に寝かせて、食べたいときに焼いています。

画像1

20キロの酒粕です。

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