漫画語り#1 「 ボンボン世代のウイスキーパブ店主とコロコロ世代大学生による、好きな漫画を語る会」
クドウ(以下、ク)「まずは自己紹介ということで、私ウィスキーパブノアールの店主をしております。クドウと申します。よろしくお願いしまーす」
客:パチパチ
ク「今日はですね、すでにお客さんが来て下さっていまして……。はいじゃあ、カマダ君もお願いします」
カマダ(以下、カ)『はい。なんて言えばいんですかね……えー……まぁ、ガクトさんの……友達……?』
ク「煮え切らねぇな」
カ『の、漫画が好きで、ちょこちょこ来ていて、気づけばこんな感じの、漫画好きの大学4年生ですかね?』
ク「ですかね?」
カ『カマダです。よろしくお願いしまーす』
「漫画語り」はこんな自己紹介から始まった、好きな漫画やそれに関わる話題についてぬめっと話す企画だ。この記事は2021年10月13日の初回について今更ながらまとめたものだ。1時間を予定していた初回は、なんと伸びに伸びて1時間30分話してしまった。漫画好きに楽しんでもらえる内容になっていることを願うばかりである。動画はこちらからどうぞ。
会場であるWHISKY PUB NOIR(ウイスキーパブノアール)は、弘前市の繁華街鍛冶町にあるお店。国内外のウイスキーを味わうだけでなく、漫画やボードゲームも楽しめる。Twitterは猫多め。
↓ WHISKY PUB NOIRさんの情報はこちらからどうぞ ↓
学習漫画 豊臣秀吉とコミックボンボン
あなたと漫画のファーストコンタクトは何だろうか。漫画語りひとつ目の話題は「漫画にはまったきっかけ」だった。(動画 1:45〜)
ク「それでは初めて行きたいと思いまーす。まず、漫画にはまったきっかけはというところなんですけれど。カマダくんはどんなところから漫画にはまったんですか?」
カ「漫画は……多分あれなんですよ。一番最初に読んだ漫画は、小学校の図書室にあった、伝記。漫画伝記シリーズの豊臣秀吉なんですよ」
ク「あぁ……漫画で学ぶ日本の歴史的なやつ?」
カ「あぁそうですそうです。自分、国語の授業で、図書室から本を一冊選んでその本で感想文を書こうみたいな小学2年生くらいの授業なんですけど。その時豊臣秀吉を選んで持っていって、漫画で書いて……。おらどうだ、お前らとは違うだろうという斜に構えた感じだったのが多分最初で。実は母もドラゴンボール世代だったことを知り、キャプテン翼を母の実家から取り寄せ……」
ク「ほほう、実家から」
カ「ズブズブとはまっていった感じですね、気づけばもう……」
「集英社版・学習漫画 日本の伝記」というのが正確な書名であるようだ。今話しても恥ずかしくなるようなファーストコンタクトだ。それに対してクドウ店長と漫画のファーストコンタクトは、”古風なオタク”の王道たるものだった。(動画 4:45〜)
ク「ぼくが漫画にはまったきっかけなんですけれど。ぼく、まぁガチガチのオタクなんですよ」
カ『あぁ、はい、オタク』
ク「まぁ古風なオタクなんですよ」
カ『あぁ、はい、古風なオタク』
ク「今日鎌田くんと話してただけでも3回目くらい言った……」
カ『古風なオタクって何なんすか笑』
ク「あのね、言ってしまうとぼくは、カマダくん知ってんのかな? コミックボンボン世代ですね」
カ『出た』
ク「君の時代はコロコロだろ?」
カ『コロコロですよ。ペンギンの問題ですよ』
ク「だろう。ぼくはもう、コミックボンボン世代なんですよ。要するに陽キャはコロコロ読んで、陰キャはボンボン読むくらいの勢いだったんですね。まぁぼくはボンボン派だったんですよ」
カ『ボンボン派……』
コミックボンボンは小学館のコロコロコミックに対抗する形で、1981年に創刊された講談社の月刊児童漫画雑誌である。「機動戦士ガンダム」や「ロックマン」シリーズなどの人気作品もありながら、2007年に惜しまれながら休刊した。クドウさんの話にあった「王ドロボウJING」は、児童漫画雑誌で連載されていたとは思えない作画クオリティ。この時代に生まれたかったと悔やまれる想いもしばしばだ。
シドニアの騎士/弐瓶勉 byクドウガクト
ここからが本題の漫画語りだ。記念すべき1作目はクドウ店長による「シドニアの騎士/弐瓶勉」である。(動画 21:35~)
ク「じゃあまず、最初にさっきSFって話もしたので、割りかしアニメにもなってて、映画にもなって、そこそこ名の知れた。でも一般の人が聞いたら何それってなっちゃうんですかね。まぁ、「シドニアの騎士」ですかねー。弐瓶勉先生ですね。
ブラムとかバイオメガとか、そういう漫画。結構、昔からダークなSFを描いている漫画家さんなんですけれど。シドニアの騎士でちょっとライト層向けに描いたのかなっていう印象があります。シドニアの騎士から作風変わった。昔はもっと書き込みすごかったんだけど、シドニアの騎士から書き込み薄くして、その読みやすくした。今までそのブラムとかって漫画になると、ほとんどセリフがない漫画がほとんどだった。主人公に「お前何話喋ってないんだ」みたいな。結構あったんですよ。でもやっぱりその何話喋ってないんだー……ってなっちゃうと、一定のファンしか読まないのかなっていうのはあったんだと思うんですよね。
で、シドニアの騎士になってワードも増やして、キャラクターの個性とかもどんどんどんどん増やして、でやっぱりロボットものって感じで。で、どういう話かっていうと……」
ロボット方面に明るいクドウ店長。ロボットアニメは「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」しかわからないカマダには持ち得ない熱量で、作品の魅力や裏話を語る。
ひゃくえむ。/魚豊 byカマダショウイ
クドウ店長がロボット方面に明るいように、カマダはスポーツ漫画であればそれなりに読んでいる。初めに語るのは異色の100m漫画「ひゃくえむ。/魚豊」だ。(動画 27:40~)
カ『じゃあ、最初はスポーツ漫画好きなんで、ひゃくえむ。作者は魚豊、うおとですね。まぁ、100m走の漫画で、5巻で完結してるんですけれど、今だとチ。っていう』
ク「あぁーはいはいはい。ほえー」
カ『あれ描いている人の前作ですね。ひゃくえむ描いた時が、訳わかんないことやって。5ヶ月連続刊行とか言って……。1巻なんか面白そうやなって買ったら、どんどんお金がなくなっていくという、恐ろしいルートに入る……え?って』
ク「この間出たのにまた新刊が出てる。どういうことなんだってばよ」
カ『内容としては100m走で、まぁ100m走って10秒しかないわけじゃないですか。その10秒で、その100mの距離さえめちゃめちゃ脚早ければ、人生勝ち組なわけですよ。その距離だけめっちゃ速ければいいと。主人公はべらぼうに脚が早くてですね。周りから見たらあいつには勝てなぇ、でも、主人公としては脚が速いだけ。「俺、脚速いだけだし」みたいな。割とこう、自分が脚が速いだけだってことを自覚しているので、あまりこう驕ることもなく、「まぁでも脚が速いだけなんで」みたいな感じでずーっといくんですけど。
そのまぁ、足の速さってほぼ先天的に決まるものじゃないのっていう、その天才と努力しているところっていうのが面白くて。主人公は圧倒的な天才なんですけれど、「でも、俺はずっとこのまま100mをこの速さでいくことはできないだろう」みたいに……』
「ひゃくえむ。」は、カマダに衝撃を与えた漫画家 魚豊の出会いであった。ちなみに、「ひゃくえむ。」はこちらでもまとめているので、ご興味がある方はぜひどうぞ。
他にもこんな漫画を語りました
ここでは紹介しきれないが全部で8作品を語った。紹介作品は以下の通りだ。
21:35 シドニアの騎士/弐瓶勉
27:40 ひゃくえむ。/魚豊
35:18 ガールズ&パンツァー リボンの武者/野上武志・鈴木貴昭
41:50 G戦場ヘブンズドア/日本橋ヨヲコ
47:44 天国大魔境/石黒正数
52:00 セトウツミ/此元和津也
56:30 満州アヘンスクワッド/門馬司・鹿子
1:04:00 映像研には手を出すな!/大童澄瞳
漫画好きなあなたへ
漫画通を気取って、「漫画好きを自称するならこの作品は読んでおかないとね」なんて主張するつもりは毛頭ない。なんなら、カマダはワンピース/尾田栄一郎をインペルダウン編で挫折しているし、ジョジョの奇妙な冒険/荒木飛呂彦や銀魂/空知英明はネタしかわからない。
しかし、漫画が好きだ。
好きなものについて思う存分語ることは楽しい。しかし、自分1人で語ることはできないもので、相手が必要だ。現在、第3回を企画中である。もし、漫画が好きだけれど話す人がいなくて……という方がいればご連絡いただきたい。そして、カマダに思う存分語ってほしい。自分だけでは気づけなかった、新しい漫画の楽しみを知ることができたら、漫画好きとしてはこれ以上のない喜びである。