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老化細胞除去トライアルシリーズ③ D+Q
BPTES→telaglenastatときて、今回は老化細胞除去薬トライ第三弾、D+Q療法です。
特にヒトにおいても介入&組織生検の研究があり、D+Qパルスとでも言うべき方法(D+Qを3日連続投与するだけ)で、脂肪組織内の老化細胞が相当数除去され、また、糖尿病や肥満とも関連する炎症性細胞の現象も確認されている頼もしい薬です。
Telaglenastat (CB-839): (3)ためし飲みと視覚変容
というわけで飲んでみました。
BPTES div時と同様の副作用? がかなり強く生じました。
具体的には、視界が暗くなり、その後羞明が生じる…という感じです。
Telaglenastat (CB-839): (1) 経口GLS-1阻害薬
Telaglenastat(CB-839)は2000年代前半に開発され、2014年頃から臨床研究が開始されている選択的GLS-1阻害薬です。
わざわざ点滴しないといけない、もしくはDSMOに溶かして投与しないといけないという苦行を伴うBPTESとは違い、経口での投与が可能です。
抗がん剤の補充療法の薬剤として開発が進められており、複数の治験が進行中です。
※ただし抗がん剤としてはエンドポイントを
老化細胞除去剤(BPTES) 効果 80代女性フレイル例
実は本剤を自分の体で実験していたのは、表記の親族の80代女性から「筋力等が回復するならぜひとも使ってみたい」と打診を受けていたためでした。健康増進を期して使うための薬剤で深刻な有害事象をきたしては元も子もないため慎重を期しておりましたが、複数回投与で問題がなさそうなことが確認できたのと、投与方法についても目処がたったので、本番です。
結果的にはマウス投与量の1/15→1/5→1/3と投与を計3回
老化細胞除去剤(BPTES)体験談(5) 次回投与の前に計算
今回は予定では150mg(2.5mg/kg)のBPTESをiv予定である。ただし前回50mg(0.8mg/kg)の投与で急性反応的なものが若干生じた感があったため、薬物動態の検討を雑文的に記す。
150mgをワンショットivすると血中濃度は一時的に66μMに達しうる。(60kgの人で血液量を60/14Lとした場合; 35μg/mL) 投与したBPTESはコロイド状となっているため血管内皮細胞の間
老化細胞除去剤(BPTES)体験談(4) - 1/15 iv
前回BPTESをDMSOでそのままivしたところ、強い血管痛でBPTESそのもののトライアルができなかったため、今回は既存研究で問題がないことが示されている10%に希釈し、かつ、BPTESも完全な溶液でなくコロイド状にしたものの投与を行った。
老化細胞除去剤(BPTES)体験談(3) - 1/50 iv
BPTES自体はラットへの投与経験は多いものであり、それほど有害ではないとは思われるが、投与方法に問題があるため、まず少用量から投与を試行している。
もっとみる老化細胞除去剤(BPTES)体験談(1) 仕入れ
2021年1月17日に出た「老化細胞除去」のニュースはかなり幅広く取り上げられた。
老化細胞を選択的に除去するGLS1阻害剤が 加齢現象・老年病・生活習慣病を改善させることを証明(東京大学医科学研究所)
老化細胞を除去、マウスで実験 東大チーム(日本経済新聞)
この物質(敢えて薬剤とは呼ばない)は生化学分野ではそれほどレアなものではなく、比較的容易に手に入る。個人宅に輸入するなどではない限り