老化細胞除去剤(BPTES) 効果 80代女性フレイル例

実は本剤を自分の体で実験していたのは、表記の親族の80代女性から「筋力等が回復するならぜひとも使ってみたい」と打診を受けていたためでした。健康増進を期して使うための薬剤で深刻な有害事象をきたしては元も子もないため慎重を期しておりましたが、複数回投与で問題がなさそうなことが確認できたのと、投与方法についても目処がたったので、本番です。

結果的にはマウス投与量の1/15→1/5→1/3と投与を計3回実施しました。理論的なは2回目で抗炎症作用が、3回目で実際の臨床効果が期待される用量となります。

結果は著効です。

・30mで5m程度のぼるまずまず急な上り坂(≒勾配16%)について、もともとはその坂道を歩行で登ることが困難でしたが(体調が悪いときは不能、良くても2分程度かかる)、投与後3日後に1分程度での踏破が可能になりました

・尿漏れが消失しました

・手すり等を用いなくても臥位から立位にすみやかに移行できるようになりました

これ以外の変化(外見上の変化や血液データの変化)はまた適宜状況を観察してご報告したいと思います。


備考

1/2投与で一切の副作用も生じませんでした。SpO2モニタも投与しながら万一の肺塞栓等にも備えましたが異常が生じませんでした。実は本例については特殊事情があります。AFのために抗血小板薬を服用していました。このためBPTES微粒子が肺の毛細血管に一時的にトラップされたとしても、血栓を結果的に形成しなかった可能性があります。

追試するためにその後改めて自分でも、ヘパリン添加してBPTES1/2量を自己投与してみましたが、呼吸苦等は生じないだけでなく、熱感や関節痛等もありませんでした。これらはBPTESの直接の副作用ではなく、血栓形成による反応で生じた可能性があります。

今後ヘパリン添加の上でFull Dose (100%) BPTESの自己注射も試みてみたいと思います。

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