【読書記録】隣人の愛を知れ/尾形真理子
『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』を読んだ時、私に衝撃が走った。
まだ恋を知らない高校2年生の時だった。
1人の人間を好きになることは、なんて素敵なんだろう。そう思った。
同時に、当時の私は不安に襲われた。
「私を好きになってくれる人は現れるのだろうか。」
「私が人を好きになる時は来るのだろうか。」
そんな淡い期待を抱かせてくれる美しい作品を刊行されてから7年という年月が経ち、新たに尾形真理子さんが執筆された本作。
不倫をテーマに、女優、スタイリスト、新婚の妻、法律事務所に勤めるパラリーガル、女手1つで娘を育てた母、小学生の女の子。
なんの繋がりもないように見える6人の女性たち。
彼女らには大切なパートナーがいる。
愛とはなんだろう。
不倫は世間的にはよくないこと。
だけど、1人の人を一途に愛する彼女たちは儚くも美しい。
「恋してないと弱くなる。恋ばかりだと脆くなる。」
恋は時に自分を揺るがす、諸刃の剣
恋をしていると、自分を見失ってしまいそうになる時がある。
ふと周りを見てみるのもいいかもしれない。
【隣人の愛を知れ】
テーマは重いはずなのに、読んでいると自分に素直になってみようと思える作品。
https://www.gentosha.co.jp/book/b13909.html