【社員インタビュー】お客様に価値提供できるスキルを。社員が目指す先を示したサイト立ち上げの背景とは?
お客様のマーケティング課題の解決をご支援するマクロミルには、営業や営業アシスタント、リサーチャー、プランナー、コーディネーターなどさまざまな職種があります。お客様の案件に携わるそれらすべての職種は、会社全体で課題解決に向き合うことを目的に、同じ部署に配属されています。そんな社員たちがお客様と向き合う上でどのような人材になることを目指せば良いかをまとめた、社員向けのスキル要件サイト『STAIRS』がオープンしました。今回は同部署の事業企画を担当され、このサイトの立ち上げに奔走された木内彩さんに『STAIRS』を作るに至った経緯や、込めた想いなどを広報の有吉が詳しく伺いました。
みんなが目指したいと思えるような、かっこいいWebサイトを作りたい
―今回『STAIRS』を作った背景を教えてください。
『STAIRS』は、お客様と対峙する上で、どんな人材を目指せばいいのかという「指針」の役割を担っています。これまでもスキル要件自体はもちろんあったのですが、それを自分ごととして落とし込んでスキルアップを図ったり、目指すべき姿をイメージすることが難しいといった実情がありました。
そんなときに、営業やリサーチャーの責任者でもある私の上司から、「どんなステップで自分が成長していけるのか、その一歩一歩見せながら、みんなが目指したいと思えるかっこいいWebサイトを作って欲しい」と話があったんです。営業やリサーチャーをサポートする立場である私としても、絶対にやるべきだし、そんなサイトを作りたいと思いました。
ただ、このサイトはステップの一つであり、最終的な目的は「実績とスキルから適切な評価を行い、優秀な人材を育てること」と設定しました。まずは「必要なスキルの可視化」「具体的なスキルのイメージを持ってもらうこと」さらには「必要なスキルを主体的に身につけていってもらうこと」をサイトの役割として進めることになりました。
―お客様に価値を提供していくために必要なスキルが分かるサイトを目指したのですね。
マクロミルには、IC(Individual Contributor)と言われる一般社員が、それぞれエキスパート職とマネジメント職を目指すキャリアパスがあります。ICの中にも複数の等級があり、それぞれ等級定義が定められています。若手が多い営業、リサーチャーの社員たちにとって、ICの等級定義だけでは、その「必要なスキル」がイメージしにくいということから、まずはそれぞれに必要なスキルや役割が具体的にどういったものであるのか、スキルの要件定義を行うところからスタートしました。
等級×職種のスキル要件、それぞれの役割を一つひとつ議論し言語化へ
―スキルの要件定義はどのように行ったのでしょうか。
営業やリサーチャーらを管掌する部長やマネジャーたちと議論しながら進めました。
それぞれの等級・職種に応じてスキル要件が異なりますし、その違いも明確にしなければなりません。以前に作ったベースとなるものもあれば、全くないものもあったりして、部長やマネジャーたちとは何度も議論を重ねました。まずは営業のエキスパート職から議論したのですが、スキル要件を定義するのは初めてだったこともあり、一番苦労しました。ベースとなるものもなく、ゼロから議論をスタートし、当てはまるスキル要件とはどんなものなのか、例えば「売上金額が大きいだけでいいのか」「そこにスペシャリティがあるべきではないか」など、具体的にイメージをしながら一つひとつ整理していきました。5つの職種(営業・営業アシスタント・リサーチャー・プランナー・コーディネーター)の定義を行うにあたり、最終的には部長やマネジャー計20名と話し合いました。
―20名の方と協議していくのは大変な作業ですね。その他にも苦労されたことはありますか。
苦労したことは、「言語化」ですね。
私自身、言語化することがあまり得意ではないので、言語化すること、共通理解をすることへの難しさを感じました。みんなの中に「この人すごいよね」とか「あの人優秀だよね」というのはあるのですが、じゃあ具体的に何がすごいのか、他の人と何が違い、どんな特徴であるのかを言語化するのはやっぱり大変でしたね。
言語化していくために、優秀な人たちの秀でている点の洗い出しを行い、それを6分類に整理しました。6分類にしたことで、秀でているとはどんな特徴なのかが明確になり、共通理解ができるようになったと思います。
すべてがオリジナルのサイトづくり。エピソード満載のインタビューも掲載
―そこからサイトはどのように作られたのでしょうか。
スキル要件の定義づくりには多くの方に協力いただき、時間をかけて作りあげたので、その内容がきちんと伝わり、現場で活用されるサイトを目指しました。資料化して展開することもできましたが、それだと形骸化する懸念がありました。当初上司からも言われていたような、みんなが見たくなる、そしてステップアップを目指したいと思えるようなかっこいいサイトを作りたいと考えました。また、単に必要なスキル要件を提示するだけでなく、それぞれの職種・等級で活躍している社員のインタビューも掲載し、「この人を目指したい」と思えるよう、全体の構成を検討していきました。
マクロミルにはインハウスデザイナーがいるため、デザイナーにも相談しながら、サイトコンセプト、デザイン、ページ構成を考え、実際に作っていきました。『STAIRS』のオリジナルロゴも作ってもらい、とても気に入っています。
―インタビューも実施されたんですね。実施されていかがでしたか。
職種×等級という組み合わせで15名の方にインタビューしました。
最初は慣れないインタビューで戸惑うこともありましたが、インタビューを通じて、マクロミルには優秀な人がたくさんいることを改めて実感しましたし、皆さんが日々お客様のことを真剣に考えていることも強く伝わってきました。優秀な方からスキルアップのためにしていることを聞いて、私自身も刺激をもらえて、楽しく行うことができましたね。
インタビューを行う上で大事にしていたことは、その人の魅力やその人らしさを引き出すことと、参考になるような具体的なエピソードを掲載することです。優秀な社員でも、それぞれに苦労を乗り越えていたり、何かきっかけがありステップアップしたりしているので、そういったエピソードを具体的に載せるようにしました。スキルアップの手段についても、「今日から真似できること」を具体的に紹介しています。例えば、本を読むといった漠然なことではなく、どんな本を読んでいて、忙しい中で読むための時間をどう捻出しているかなど。そういった日々できることを紹介しないと、結局1歩を踏み出せないと思ったためです。
また、今までどうスキルを身につけてきたのかだけでなく、未来を語ってもらった点もポイントです。『STAIRS』のトップページで階段を表しているように、スキルは磨き続けるものであり、若手だけでなく部長やマネジャーたちもスキルを高め続けていて、社員みんなが行っていく必要があることを意識してもらいたいと考えたんです。VUCAの時代とも言われている中、マクロミルに求められるものも日々変わっていくので、お客様に価値を提供し続けるためには、スキルを磨き続ける必要がありますし、一人のビジネスパーソンとして市場価値を高めるためにも、未来を語ってもらうインタビューにしました。
皆さんから本当に良いエピソードをたくさんお話いただいたため、インタビュー記事は自信作です!本当は社外にも公開したいくらいです(笑)。
想定しなかった良い影響も。どの職種であっても、モチベーション高く、そこに向かって頑張ろうと思えるサイトへ
―サイトを公開して、社員の皆さんからはどんな反響がありましたか。
まだ公開してから日が浅いのですが、社員にアンケートを実施した結果、参考になったという多くのコメントが集まりました。
サイトを作るにあたって狙っていた「必要なスキルの可視化」「具体的なスキルのイメージを持ってもらうこと」が、しっかり伝わっているかなと思っています。コロナ禍で以前はできていたコミュニケーションがどうしても減ってしまう中、『STAIRS』を通じて先輩の人物像やスキルが分かり、目標とする人が見つかったという想定していなかった良い影響もありました。
―今後はどのようなことに取り組まれたいですか。
マクロミルは中途入社の割合が高いので、中途入社の社員のためのコンテンツも充実させたいと思っています。自分がどのようにステップアップをしていけるかイメージできるよう、例えば入社2年目の中途入社の社員を対象としたインタビューなど実施したいですね。入社後に苦労したことやそれをどう乗り越えたか、1年でどんなスキルが身についたかなどを語っていただき、1年後の活躍をイメージできるような事例を紹介することで、入社したばかりの不安な気持ちに寄り添いたいと思っています。サイトを作って終わりというわけではなく、どういう風に活用して、そこからどう広げていくかを常に考えていきたいと思っています。
サイトの狙いの一つである「必要なスキルを主体的に身につけていってもらうこと」については、サイトを見たからすぐにスキルアップするわけではないですし、中長期的な取り組みとなりますが、スキルアップのきっかけとなるような情報発進と研修を充実させていきたいです。今期はマネジャーのスキル要件にある「プロジェクトマネジメント力」を身につけるための研修を実施しているのですが、定義したスキル要件にそって、スキルアップのための研修を今後も用意していく予定です。
また、こういったサイトを他の事業本部でも作りたいといった話もでていると聞いています。実際に、部署は異なりますが、他の職種についても掲載することが決定しています。どのような職種であっても、モチベーション高く、そこに向かって頑張ろうと思えるようサイトを拡大していきたいですね。他の職種に進むには、どういうステップがあるかの道標にも使えますし、そういう道を歩んでいる方のインタビューも掲載できれば、みんなのキャリアイメージつきやすくなるかなと思います。
「スキルをアップしよう!なりたい自分を見つけよう!」とか、言語を並べるだけでは相手には伝わりにくいですよね。ただ、綺麗ごとだけを書いたサイトでは机上の空論みたいになってしまうと思うんです。社員一人ひとりが自分ごととして捉え、どのようにお客様に価値を提供できるか、そのための具体的なスキルは何なのか。私自身も常に考え続けながら、お客様への価値提供につながるスキル習得を社員が追求できるよう、社員に届くメッセージを発信していきたいと思います。
―本日はありがとうございました!
<編集後記>
『STAIRS』のサイトを最初に見たとき、階級や等級ごとに細かく定義が説明されているため硬い内容であるはずなのに、サイト全体のトーンやデザインから全くそんな印象がなく、インタビューが数多く掲載されていることもあり、「読み物」として楽しめるサイトであることにとても驚きました。さらに驚いたことは、それを木内さんがほぼお一人で進行されていたこと。インタビューを通じて、多くの方を巻き込みながら進めていく推進力の高さ、それを楽しみながら対応できる実行力の高さ、そして何より"お客様、そして社員のために"という木内さんの強い想いを感じました。『STAIRS』が今後どのように発展していくのか、とても楽しみです。
木内さん、お忙しい中ご協力いただき、ありがとうございました!
写真撮影 / コーポレート・コミュニケーション・IR本部 田代正和