第3回 表頭とウエイト平均値の理解を深めて加工をしよう/【連載】QuickCrossを使って“集計のコツ”をご紹介
第2回目 では、クロス集計表の横側、表側(分析軸)を工夫することで見やすい集計表を作る方法をご紹介しました。今回はクロス集計表の上側、表頭を中心に「QuickCross」を使って見やすいクロス集計表を出力するための機能を解説していきます。
1.クロス集計の表頭を理解して小計を加工
アンケート調査では、“スケール”(尺度)という5段階評価の選択肢がよく用いられます。例えば、以下のようにランチに対する満足度を5段階で程度を表す選択肢です。
GT表やクロス集計表では、各選択肢が母数全体に対しどれくらい票が集まったのかを確認することができます。ここで、例えば満足の合計(満足+やや満足 ※トップ2ボックス)と不満の合計(やや不満+不満 ※ボトム2ボックス)がそれぞれどのくらいいるのかを確認したい場合、手元の足し算やExcelの表計算を使って足し上げることもできますが、選択肢をまとめあげるといったデータ加工をすると出力がスムーズですし、トップ2ボックスとボトム2ボックスの回答比率を把握することもできます。QuickCrossを使ってこのデータ加工を行う場合は、『小計追加』という機能を使います。
『小計追加』に関する詳しい方法はこちら
2.降順で並び替え
次に、「並び替え」という機能について見ていきます。以下のGT表のように、スコアが高い順に、ランキングのように並んで欲しいなと思ったことはありませんか?
例えば上記の設問では、1番回答が多かった選択肢5の「知人・友人・家族からの情報(35.6%)」、2番目に回答が多かった選択肢2「飲食店情報サイト(26.0%)」ということがわかります。並び替変えを行えば、以下のように設問の任意の範囲内で回答結果を降順に並び替えることができます。
さらにグラフも高いスコアから降順となり、一目でどの選択肢が高い結果となったのかを確認しやすくなります。
結果確認では主に設問内に用意していた選択肢内容(今回でいうと1~7の内容)を重視することが多いため、「その他」「特になし」といった選択肢は末尾に残す形としていますが、降順範囲を選択することですべての選択肢内容を降順にすることもできます。
QuickCrossを使用する場合は、『並び替え』という機能を使います。
『並び替え』に関する詳しい方法はこちら
3.ウエイト値を設定して回答の平均値をみてみよう
アンケート調査では年収の金額や利用頻度の回数など、数値を選択肢とするケースが多くあります。
例えば、下記の「勤務中のランチで1回にかける金額は?」という設問の場合、集計結果でどの選択肢に多く票が集まっているか確認することはできます。しかし、新しく弁当を販売する際に参考にしたい“価格”を知りたいと思ったときに、どの金額で設定すると効果的なのかまでは判断が難しいと思います。そこで、選択肢(5段階評価や数量設問)に得点(重み)を付けることで、平均点を算出することができます。これを「ウエイト平均」と呼び、選択肢にウエイト平均を付与すると以下のようなGT表になります。
まず「300円未満なら300」「300円以上500円未満なら400」・・・と各選択肢に任意の得点(重み)を決めます。その後、各得点の重み×回答者の人数を計算し、その合計を回答者全数で割って平均値を算出しています。
計算式の例{(300×46)+(400×221)+(600×211)+(850×29)+(1100×3)・・・+(2000×0)}÷511=505.87(ウエイト平均)
こうすることで、505円くらいが回答者の平均使用金額として解釈をし、新サービスの金額を検討する際の判断材料として活用することができます。
このウエイト平均機能は金額の選択肢回答だけではなく、「とても良い~とても悪い」とスケール(段階)聴取する設問形式の結果確認でも使われることがあります。各回答を得点化し、回答結果を平均値で見ることでより全体を意識した結果把握を行えます。
また、クロス集計表のウエイト平均の場合は、以下のように記載されます。表側の各項目それぞれを母数とした際のウエイト平均が明記されるので、表側間でその値を比較することで各対象者の傾向を分析することができます。QuickCrossを使用する場合は、設定したいウエイト値を入力して反映ができます。
『ウエイト平均』に関する詳しい方法はこちら
今回はクロス集計表の表頭を中心とした機能についてご紹介しました。
次回は集計表の加工からは少し離れて、フリーアンサー(自由回答形式)の集計方法についてご案内します。
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