シン・仮面ライダー
仮面ライダー、本郷猛は改造人間である。
オープニングテーマが終わりに近づくと決まって流れるナレーション。さて、今週の怪人は?どんな話?
ちなみに、本郷猛はこの時「やめろ〜、ぶっ飛ばすぞぉ!」とはいわない。
(解説はしないので元ネタ気になる人はご自分で調べよう)
この、“改造人間である”という設定は個人的には重要だと思っていて、“大人の事情”(放送倫理上)から、平成シリーズからこの設定はなくなっている。
その観点からすると、昭和シリーズと平成以降のシリーズでは、同じライダーシリーズとはいえ、まったくの別物である。そう僕は認識している。
はじまりは'71年
テレビシリーズの『仮面ライダー』第1作が放映されたのが'71年4月。本作『シン・仮面ライダー』はその生誕50周年として、本来なら2年前の劇場公開を目指した制作スケジュールだったはずだ。それが2年も延びたのは言わずもがな、例のヴァイラスと関係してくる。
そんなことではどうでもいい。ご丁寧な注釈、反対意見はいらない。
'71年かぁ。3歳だよ、僕。現在でもはっきり覚えてる、なんてしらじらしいことは言わない。
記憶に残ってるのはシリーズ第2作『仮面ライダーV3』あたりから。そのV3も今年50周年。
さて、『シン・仮面ライダー』である。はじめてヴィジュアルを見た時、
おぉーっ!!1号やん。
と思ったが、あのマスク(ヘルメット)から出てる襟足はなんやねん!、というのが素直な感想(笑)
まあ、でも。やっぱ、カッコええね。
シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニヴァース
本作は“シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニヴァース”と2022年に謳われたシリーズの最終作。
ややこしいのは、シン・シリーズ自体は今後も続く可能性があるということ。ユニヴァースとしての前作『シン・ウルトラマン』は元々は3部作構想で、ユニヴァースは終わっても『シン・ウルトラ』シリーズとして続く可能性が残されている。
ウルトラマンはおいといて、と。
仮面ライダーの敵はショッカーなのは原作、テレビシリーズと同じ。最初に登場する怪人はクモ男。今回はクモ・オーグと称される。
難解な用語
オーグ=オーグメント。増大とか拡大という意味らしい。シンプルに改造人間でええやん。クモ男で。
ショッカーの一員である緑川ルリ子(浜辺美波)は完成間近のバッタ・オーグ=本郷猛(池松壮亮)を連れて脱走。クモ男の役目はルリ子を連れ戻すこと。
ルリ子が追っ手に捕まり連れ去られようとした時、現れたのは本郷が変身したバッタ・オーグ。
“優しすぎる”本郷は、人間離れした力と人を殺めてもなにも思わない暴力性に困惑するが、自ら仮面ライダーと名乗り、ルリ子とともにショッカーに立ち向かう。
いやぁ、もう。ハイ。
前出のオーグといい、たびたび出てるプラーナといい、用語がややこしすぎる。そこが難点。PG-12指定とはいえ、子供も本作を観るわけだから。
そこで、プラーナについて調べてみた。
どうやら、インド哲学由来のようだ。簡単にいうと生命エネルギーってことか。ええやん、それで。生命エネルギーで。もっと一般的にいうと魂ってことやろ?
にしても、お子様にはわかりづらいかも?だけど、魂の方がまだマシ。
それからショッカーにしても、原作ではナチスの残党が作った悪の組織だけど、本作では正式名称が「サスティナブルな、なんちゃらかんちゃら」
もう手に負えん。ワタシ、お手上げです。以下のサイトに丸投げ・・・
単純に、勧善懲悪じゃダメなんですか?
ともいいたくなる・・・。それじゃ、シンシリーズとしてリブートした意味なくなるのか。
しかも、創設者は日本人大富豪。ショッカー首領は創設者が計画し生み出された人工知能アイ。アイは自立歩行型の人工知能ケイを作り出すが、本作でのラスボスは仮面ライダー0号を自ら名乗る蝶オーグ。
蝶オーグはルリ子の兄、緑川イチローでオリジナルキャラクター。
ネタバレになるが、2号ライダー(一文字くん!)も登場するけど、2人がかりでも圧倒する力=プラーナを持つ。が、強いんだかどうだか、よくわからない。あっさり諦めちゃうし。その辺は実際観て確かめてもらいたい。
まあ、強いんだけどね(どっちやねん)
このイチローが目指すのがハビタット世界だ。
またや・・・。もう知らん(笑)
僕は観てないけど、このあたりが『シン・エヴァンゲリオン』の世界観に通じるらしい。
登場するオーグ(怪人)
クモ、蝶以外で作品に登場するのは、コウモリ、サソリ、ハチ、そしてカマキリカメレオン。このカマキリがルリルリを・・・。ゆるさん!!(笑)あ、ルリルリって緑川のルリちゃんね。
コウモリの件(くだり)、コメディですか?(笑)
ハチ・オーグは原作でもルリルリの親友ヒロミ。
『シン・ウルトラマン』での「私の好きな言葉です」に続いて流行るか?「用意周到なので」
ヴィジュアルはカッコいい
仮面ライダーが乗るオートバイ、サイクロン号がカッコいい。ライダーのヴィジュアルも。でもヘルメット(マスク)の“ショッカーのオーグです”っての、要らん。ブランドタグか?ジョルジオ・アルマーニです、みたいな(笑)
そしてもう一点残念なのは、立花のおやっさんは出ない。ネタバレ済まん(笑)
あと、サソリ女さん。ちょっと残念な扱い(笑)
仮面ライダーの、本郷猛の悲哀というか、もっと出てたらね感はある。それでも、リアルタイム世代なんで個人的にはオッケーです!賛否分かれるけど、僕は好きだな。おもしろかった(なんで小声やねん)
「ヒーローといえばやっぱり赤でしょ?」
というセリフにはニヤリとしましたわ。
0号ライダー(蝶オーグ)や人工知能ケイのヴィジュアルなど、石ノ森章太郎(故人。原作者)ワールド全開。
入場者特典のカード。全部で20種類あるらしいがコンプリートは無理。
それから、『シン・V3』は、ない。『シン・仮面ライダー2』も。多分。
『シン・仮面ライダー』公式サイト
※カヴァー画像、『シン・仮面ライダー』公式Twitterより