
精神の継承
全国各地で、コロナ禍3年ぶりの祭りが開催されてるようですね。
旧暦の夏といえば、梅雨の長雨や台風、疫病などの災害が起きやすい時候でした。
日本では一年を通して自然に祈り、自然に感謝するような行事がたくさんあります。
自然の恵みにはそれぞれ神が宿るといわれているから、春夏秋冬、それぞれに祭りがあります。
祀る、たてまつる。
祭りとは、日本人にとって長らく大切にされてきた精神です。
小さい頃から何となく大人のすることを見ていて、そして、だんだんと自分達が中心になり、それをまた次の世代に繋いでいく。口承だけでなく、実践。ずっとずっと、大切にしたいですよね。
だんだんと、核家族化してしまい、田舎から都会へ人は集まり、自然と見てきた習わしを見なくなり、消えていくような気がします。
日本人は、外国のものに目移りして、表面の派手さにどんどん手をつけて、大切な大切なものを手放し続けているように思います。
私も割とずっと街中に住んでいるのですが、子供の頃は田舎の祖父母に接しながら、日本の行事を体験しました。もっともっと、習えば良かったと思っています。
博多の夏の風物詩といえる博多祇園山笠。
いよいよ明日7月15日の早朝4:59に1番山笠が櫛田神社入りし、次々と7つの舁き山が5キロのコースを走る追い山笠。
7月1日から始まった神事がいよいよフィナーレです。
私は長く福岡に住んでいるものの、実は一度も追い山笠を実際に見たことがないのです。
豪華絢爛な飾り山笠を眺める程度。
ホテル勤務時代には、ホテルが櫛田神社の近くにあったこともあり、早朝から追い山笠を見に行った人達が帰りにいらっしゃるので、ホテルレストランで朝食対応をしたりしていました。



今年は神事を目の前にしてみて、全てに感動しています。本当に目頭が熱くなりました。
男衆のオッショイ、ワッショイの掛け声と迫力、とてもかっこいいです。
すごい、すごい、すごい!!!



7月9日は山笠(やま)を担いでいませんが、この日だけですでに感動している私でした。

この日から、山笠(やま)が担がれます。
舁き手(かきて)達がチームごとに挨拶に向かっていました。山笠の前で博多手一本。




7月13日は、明治通りを2時間程封鎖して、集団山笠見せが行われます。
今年の1番山笠は、恵比寿流(えびすながれ)でした。
1番山笠には、福岡市長も台上がりされていて、力いっぱい、彼の全身から山笠への思いや魂を感じました。
1番山笠は、福岡市役所前で、博多祝いめでたと手一本。(来年は市役所ポジションで見学したい)
祝いめでたは、ホテルのバンケットでの仕事中もよく聞きました。福岡の宴席や結婚披露宴のおひらきでよく使われますが、本物の山笠の人が歌うのはシビれますよ。
明治通り沿道には多くの人が山笠(やま)を見るために集まってカメラを構えたり、拍手をしていました。
先走り、舁き手(山笠担ぐ人)、後押し、男衆達は勢い水を沢山浴びながら、駆け抜けていきます。水が太陽の光でキラキラしていて、とても綺麗でした。
舁き山笠は約1トン。力強く走り抜ける本気の顔と
オイサッ、オイサッの声が、ずっとずっと続いていました。
先走りの子供達も一生懸命走っていて、皆のまっすぐな眼差しがとても綺麗でした。

福岡市役所から戻る子供達
この祭りの起源は、疫病退散を込めたもの。
昔々の人たちも疫病を乗り越えて繋いできた神事。
どうかコロナを乗り越えて、また新しい時代にも
山笠が博多の町を走り続けますように。
心ひとつに。
一心になる人々に感動が止まりません。
あと11時間程で全ての山笠が櫛田神社と博多の町を全力疾走します。
オイサッ!!