【童話】ふるさと

わたしはちょうちょ
しろいいろをした　モンシロチョウ
ヒラヒラ　ヒラヒラ
はねをうごかして　
おはなばたけをヒラヒラ　ヒラヒラ

ちょうちょは　てんとうむしに　あいました
すこしやすんだ　はっぱのうえでした
こんにちは　てんとうむしさん
こんにちは　ちょうちょさん
きょうは　おてんきが　いいですね
きもちがいい　おひさまのぬくもり
そよそよと　ちいさなかぜも
はっぱを　ゆらします

てんとうむしさん　あなたは　どこでうまれたの？
わたしは　このくさばなの　はっぱのうらで　うまれました
ここでみんな　たまごからうまれて
ようちゅうのときをすごして
こうして　まるいはねを　もちました
そしてまた　けっこんして
たまごを　このはっぱに　うむのです
ようちゅうになって　また　まあるいてんとうむしに　なっていくんですよ
このくさばなの　つづくところが
わたしのふるさとです

ふるさと　すてきね

ちょうちょさん　あなたの　ふるさとは　どこですか？
わたしは　だいぶ　とんできてしまったから
うまれたばしょが　わからなくなってしまったの
ふるさとは　どこへいったのかしら
はねをもったら　とびたくなって、かぜにのって　ヒラヒラ　ヒラヒラ　いきたいところへとんでみたの
そうしたら　にんげんのこどもが
おいかけてきたから
どんどん　どんどん　とおくへ　きてしまったみたい
そんなにしろい　きれいなはねを　もっているのだから　きっとまっしろな　おはなのさくところが　ふるさとなのでしょうね
てんとうむしは　そういいました
そうなのかしら
さようなら　てんとうむしさん
わたし　ふるさとを　さがしてみるわ
さようなら　ちょうちょさん　わたしはいつも
ここにいるから　さみしくなったら
もどっていらっしゃい