「白紙ノート」
詩人宣言LVIII
ノートのページを繰り
書き残された言葉を
見てみる
ずいぶん間があいた
その走り書きを
読み返す
陳腐な言葉をつぎはぎし
詩に…している
それらを
読んで…みる
いい…ワケがない
いい詩
と
悪い詩
その違いくらい
見分けは…できる
曲がりなりにも
詩を 読み書いてきた
3年に足りないとはいえ
相当のエネルギーを費やした
箸にも棒にもかからない
悪い詩…とまでは言わない
だが
良くない詩 それくらいはわかる
もう
ぼくはペンをおこうか
いや
それでも 書くことにしがみつくか
書きたい気持ちはある
だが
いまのぼくに
しがみつくだけの熱量が
どれほどあるか
それでも
ペンを握り
白いノートを開く
言葉が出てくるのを…待つ
絵:鴨居玲「出を待つ(道化師)」