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「しようがない」

エライ人に呼び出された
エライ人だ
組織の中で人を差配する立場にある
昔はぼくの後輩だった ずっと前から
ぼくより エライ人だ
その人に呼び出された
ドキリドキリ
ぼくは
妖精さんだとか
毎日マーヒーだとか
業界内のアレコレコレアレを
書きつづり(しかも就業中に) ココ(note)に投稿してきた
なので それを
「見てましたよ…」
とでも言われるのか

ドキドキした

エライ人は言った
「今はこういう時期に会社もあるので 今回で契約は満了ということで…」

ああ そうですね そうですね 会社は業界はこういう時期でこういう状態ですよね
わかっております わかっております

もういらない あなたの仕事はないって――

でも
年金もらうには間もあるんだし…アレコレコレアレ
エライ人に何か言うべきなのか…
ぼくは頭の中で言葉を探す
だがしかし
エライ人の エライ言葉を 鵜呑みする…しかない
そう ぼくは感じた
「次のこと」はいくつかずっと
ぼくはぼくで考えてはいる﹅﹅
そんなこと そんなこと このエライ人に言ったところで
詮無い…
言ったところで エライ人の耳には届かないだろう
組織の中でアレコレコレアレを差配する
エライ人には何を言ったところで
詮無い

ぼくはぼくで 自分の道を 自分で考えて
生きてゆくしかない
このあたりまえのことを
 今更
 気づかされた瞬間――

いくつかの道を ぼくはぼくなりに考え続けてはいたけれど
過去も今も ただひたすらに流されてきた
それだけに その瞬間に
ぼくは背中を押されたように思い
 ――背中を押してくれてありがとう――
ぼくはエライ人に そう言いたい気分になった
ぼくの中ではそれでよいのだけれど
現実には ぼくはぼくひとりで生きているわけではなく
家に帰れば 同居人たる妻もいて
ひとり息子は遠いところに働きに出たところなので
ひとつの大きな心配はなくなってはいる
とはいえ
やはりぼくだけの問題ではないので 事実をありのままに伝えた
しかたないねーー

妻は予想以上の塩対応
ねぎらいやなぐさめの言葉を期待した身には 
無反応塩対応… それはそれで
しようがないこと

受け止めた――
エライ人がぼくに言ったことは
詮無いこと―
妻の言葉は
しようがない―

      どちらも同じ意味なのだ

しようがない しようがない 今はしようがない

思いながら
この先も生きてゆく

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