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「文学」と「作家」への道(6)
「詩人の独り言」改
◇判明したあの詩人の名前
毎度さえない、インパクトのない、人の心を揺らさない、通り過ぎながらチラ見もされないような詩と文ばかりを書いている。
それでも、何人かの方々が確実に読んでくださっており、感謝している。ありがとうございます――。
さて、
僕が言うまでもないが、今の時代は便利だ、便利すぎる。
あの言葉、あのセリフ、あの一節…。
歌、小説、詩歌、映画、景色…。
記憶の中に沈み込み、二度と浮上しないようなものまで、いくつかのキーワードを入れてググればかなり高い確率で、いやほぼすべて「あれが何だったか」が判明する。
ググれないのは、臭いとか香り、触ったとか触られたとかの身体的快不快くらいか。それらを除けば目と耳から入るようなものは分かるってことだ。
僕の中に沈殿しながら、誰の歌だったか知らない歌を検索した。
「死ねばいい 死ねばいい 死ねーばいーい みんな首吊って死ねばいい」
こんなフレーズ。50年ほど前。学校から帰宅し、テレビを見ていた時にフォーク歌手がギターをかき鳴らして歌っていたのだ。強く記憶しながら、誰の歌か知らなかった。
このカギカッコ内の文言を入れて検索したら、
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なんていうのが出てきた。
違うちがう、そうじゃない。僕が知りたいのはそんな言葉を叫ぶ歌があった…それを知りたいのだ。
で、同じフレーズに加えて、「詩 歌詞 歌手」と入れて検索したら、
友達なんていらない死ね 神聖かまってちゃんの曲…なんていうのが出てきた。これまた違う、50年以上前ですよ。
と、いろいろやるうちに分かった。
三上寛の「おど」という歌。
歌そのものを聞く前に、歌詞を読んで、ああーこれこれ、と思った次第。
で、今これを書きながらYou Tubeで聞いている。
「おどのために3人死んだ」と歌い出し、最後に冒頭の歌詞「死ねばいいー」を繰り返すのだ。
これって、テレビ、ラジオで放送できるのか…。
今の時代なら、絶対テレビで放送されないだろう。
僕が歌を聞いたテレビは、東京と3時間遅れで放送されていた「桂小金治アフタヌーンショー」だったと思う。これを歌い終えた後、スタジオ内が一瞬沈黙、そして拍手が起きていたのを憶えている。
50年前はそれができたんだねー。
いや、聞いてみてよ。「いい歌」ですよ。
デビューアルバムの「三上寛」が最高傑作なんだろうか。
これ出したときに、20歳です。すごい詩人だわ。
青森弁丸出しで話す役者でフォーク歌手という印象があり、いつの間にか消えた人と思っていたが今月で73歳。今も活動していて、詩の教室までやっているようだ。残念ながら3月は満席だった。いずれその教室に行ってみたいもんだ。