「湿った手」
ぴしゃり ぴしゃり
と
息子がぼくの顔をたたく
ぴしゃり ぴしゃり
いいぞ いいぞ
何度でも たたいておくれ
おまえの力は まだまだ弱い
その湿った手が
おとうさんの顔をたたくたび
どんどん 強く
どんどん 大きくなる
だから
どんどん
たたいておくれ
ぴしゃり ぴしゃり
と
息子がぼくの顔をたたく
ぴしゃり ぴしゃり
いいぞ いいぞ
何度でも たたいておくれ
おまえの力は まだまだ弱い
その湿った手が
おとうさんの顔をたたくたび
どんどん 強く
どんどん 大きくなる
だから
どんどん
たたいておくれ