【つぶやき詩】「公園で」
昼 小さな公園にいる
昼休みをすごす ひとりで
もう慣れた
すぐ近くに職場がある
そこのスタッフや近所のお客さまも
ぼくの この姿を見ることはないだろう
この場 この空気がしっくりする
木陰であれば 暑くはない
いずれは 寒くもなるだろう
そのとき ぼくはここにいるだろうか
女がいる ひとり 公園に
朝も見かけた
自転車に大量の荷を積む
それを自転車の上に広げている
干しているのか
サイクリストではない
たぶん ホームレス
若くはないが そんなに歳もとっていない
ぼくの後ろから 何語かわからない声がする
中年の男女 観光客には見えない
キックボードをけって乗る幼子もいて
ともに公園を出て行った
顔つきはインド人だ
こんなところに インド人
台風の去った東京
再び猛烈な暑さ
さっきの女は 手鏡で自分の顔を見ている
厚い雲が晴れ 日差しが強くなった
そろそろ昼休みも終わる
午後のひと働きが待つ