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「堂堂巡」

詩人宣言LI

いつか いつかは
小説を書こう そう思っていた
いや 現実に小説を書いていた
ある日 書けなくなった
1日 1週間 1カ月 半年 1年2年3年…
ぱたりと 書けなくなった

書かないだけだ などとうそは言わない
書けないまま 年月がたった

それは認める それを認める

ぼくは 小説を書けない
ぼくは 物語は書けない――

そこで
詩である
いま 本日ただいま
こうして書いている
2年以上書き続けている

胸を張って言う
ぼくは 詩を書いている
ぼくは 詩を書ける
断言する

詩壇の大先生も
「書けては…いるんだから」
と お墨付きをもらっている
もらっては…いる

書けては…いる

それは 本当に詩なのか
それは 本当の詩なのか

ぼくの目と耳がとらえる事象を
ぼくの心が感じた言葉にしている
その点で
間違いなく
詩を書いている

ただし
大先生ご指摘のとおり
考えが足りていない
考えは足りていない

考えの部分が少ない
いや ほとんどないのかもしれない

文字と言葉をノートに書き留めることを優先し
詩編の数だけは積み重なったが
厚みと深みは
数ほどにはない

数だけではどうにもならない

一度止まって考えよ
とも思う

いまも 書きながら
それを考えてもいるところ

詩に 詩作に
答えなんてない
堂堂巡しているだけだから
見える景色は同じまま

うむうむうむうむ

書く前に考えよ
考えをためこめ

そう心の声が聞こえもする

しかし
考える前にぼくは書き続ける
そうしないと
床にも入れぬ

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