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「前橋」

7年前に単身赴任し
2年住んだ街
5年ぶりに訪ねてみた

初めて下りた駅頭から
市中心部を歩いたとき
これが人口40万を超える県都?
はてさて――
まったく人気のない通り 商店街
そこに空地のような駐車場がいくつも
まるで空爆に遭った後のような景色


5年たって
そのさびれっぷりは
コロナの災禍が
さらに拍車をかけた観

街が生んだ詩人の文学館へ
歩いてゆく

「5年ぶりに来ました
まるっきり変わらない
いや もっと寂れた感じですね」

東京からきたぼくは
学芸員と思しき女性に
軽口をたたくイヤな男


昔も活気はなかったが
5年の年月に
シャッター商店街はさらに増殖
ぼくの働いた職場も
既に消えていた


泉下の朔太郎は
この故郷をどう思うだろう

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