【つぶやき詩】「ぼくは死んだ」
ダンプに轢かれてペッタンコ
血まみれマグロになっちゃった
ダンプに轢かれてペッタンコ
一瞬のこと
意識なんて飛んでしまって
痛みも感じず
ぼくは この世とさよならした
冬の東京
乾いた空気
透明な空気
陽の光はキラキラしてて
細かな粉になって
ビルの上を舞っている
頭の中に ドカンと花火
花火が咲いた
音を立て
パーッ
と
真っ白になっちゃって
明るくなっちゃって
ペッタンコに
血だらけになって
解体されたマグロみたいな
ぼくの肉片が拾い集められ
もう一回体が作り直される
きっとそうだろう
きっとそうだろう
ダンプに轢かれてペッタンコ
飛び散ったぼくの分身集めて
きっときっと
小さなお弔いは開かれる
誰かが泣いてくれるだろうか
ダンプに轢かれてペッタンコ
そんな最期もあるやも知れぬ