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「自問自答」

詩人宣言LIX

――おい 詩は書けているかい
  書けたのが あるかい

 ええ まあ あるにはありますが

――アップしてくれよ 読ませてくれよ

 いや あの なんか見せられるのがなくって

――どうしたんだよ
  書いて書いて 読んで読んでって
  そんな感じで アップしてたじゃないか

 読んでもらえるほどのものが ないから

――恥ずかしがってんの? 今更
  前は なんでも載せてたよね

 できが悪い 自信がない 見せられない…

――そうなんだ そうなんだ
  前みたいにいかないんだ

 確かに前は 書いてすぐアップして
 どんなのでも見せて 喜んでた

――そうできなくなってる と
  なんでだろうね
  ネタ切れってこと?

 それは…感じますね
 ネタ切れは 自覚してます

――そんなことないでしょ
  ネタ切れなんてあり得ない
  森羅万象に目を向け
  日々刻刻 一つとして同じものはない
  書くことがなくなることは ない

 そう 書くことはなくならいでしょうが
 そのぉ…自分の…電池が切れて…
 動かない…みたいな

――へぇ なるほど
  でも きのうきょうに限定せず
  10年20年前 詩を書いてこなかった時代
  そんなころの思い出 時々の思いってあるでしょ
  それを掘り起こしてみたら どうだい

 ああ 確かにそういうのも あり かも
 今の自分でなく 過去の自分…
 そんな手も あり かも

――めげずに やり続けることだね

画像=「鏡に自問自答する男」 お絵描きばりぐっどくん作成

 
  

 

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