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「すずらん通り」

すずらん通りが見えるカフェで
僕はあなたを待っています

ここは本の街
古今東西、万巻の書が
きっとあるのでしょうね

僕がいつも行く三省堂本店
界隈で最も大きな、誰もが知る本屋
さん・せい・どう・しょ・てん

でも、
ここってロクに詩の本がないのネ
詩なんて、まったく興味がなかったから気にもならなかったけど…

だから最近は、すずらん通りが目の前に見える
東京堂書店に時々来てます

「私の大好きな本屋さん」

言っていた彼女、元気かしら
下から慶応育ちの
快活で頭の回転のよい
ぽっちゃりさん
もうちょっと顔立ちが
アレしてたら
僕もきっと きっと
彼女にホレてただろうな…
なんて

彼女、大手企業を辞めて、ライターに転向したんだっけ
週刊誌で時々署名記事を見たけれど、最近はどうしてんだろ…
彼女の名前を検索したら、編集プロダクションをやってるみたい
その会社のホームぺ―ジのブログやら
フェースブックを見たけど
どっちの書き込みも、1年以上ない

どうしちゃったんだろ…

でも、僕が いま
待っているのは30年も前に
「東京堂書店がスキ」
と言っていた
慶応出のぽっちゃりさん じゃないんだ

別の…彼女
でも、一度も会ったことはない
名前も知らない
存在しているかどうか…
それも知らない
彼女

きっと彼女はやってくる
だから、僕は待ってます
すずらん通りで

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