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津島〜水景と歴史のギャップ/時間が止まる街〜

電車でのんびり津島へ

津島は名古屋駅から名鉄電車で30分くらいで運賃460円。そこそこ近い。水上を船の山車が出る『天王祭り』で有名な街だ。

一宮行きの準急は、いったん北へ向かう。須ヶ口で乗り換えここから西へ向かって普通電車でのんびりと、それでも30分かからない。駅から津島神社まではゆっくり歩いて20分くらいだ

まずは大通りにに出る。既に寺町らしさ満載
生活に根づいた店が、そこそこ生きている商店街
とにかくこの辺は神社仏閣だらけ
ここらで俄然、渋い雰囲気が増す

名古屋近辺の街は、西側と東側では全然雰囲気が異なる。やっぱり西の方の街だなぁと感じるのは、屋根の上に神様を祀る祠があることだ。調べてみると16区ある名古屋の市内だと、圧倒的に西区に多く残されているらしい。

屋根神様。西の方は低地だから屋根にある説も

このあたりでは、いわゆる普通の郊外の住宅街に突然、歴史的スポットが埋め込まれているようだ。

間口がタイト過ぎる『坂口神社』
昔、井戸汲みの音で朝を知ったという

徐々にディープになる風情

出だし10分くらいは、そこそこ雰囲気はあるけど良くある古い街かな、くらいに感じていた。が、ここからが津島の本領発揮だった。

キッズ・リターン

津島を歩いてて感じたのは、すっごい昔っぽい道であっても、純粋に今の生活が普通に行われていること。それを観光の売りにしてる感じがしないのだ。いい意味でも悪い意味でも。

街並みは、すっかり仕上がってる
津島下街道と、津島上街道の分岐点

こういう風情が好きで歩いてるのでテンションが上がってくる。あっちも良いしこっちも素敵だと撮りたい風景が多すぎて、冬場にスマホを待つ右手に手袋する暇もない。

天王川公園前の柿屋饅頭店

饅頭屋さんにも入りたいけど、ちょっと小腹が空いてきた。すると14時過ぎなのに暖簾が出てるうどん屋さんがあるじゃないですか

突然ビールが飲みたくなり。大瓶で500円

お店に入ると誰もいない。ゆっくり奥から年配の店主が現れて石油ストーブを点けてくれた。値段も雰囲気も、30年は時間が止まっているよう

ストーブその位置ですか
スラムダンクが古書化
どこにでもありそうで、もうないような
どういう値段設定なの
だいた名古屋の半額
甘めのすき焼きうどん 630円

はからずも入った店で、これだけギャップを味わうことになるとは。津島恐るべし。少し急いで津島神社へと向かう。あと200mくらいだ

土日祝公開の『堀田家住宅』も次はぜひ来たい

堀田家の隣が津島神社。国や県の重要文化財である、楼門や本殿は見事のひとこと。さすが総本山、見どころたくさんです

南入口に到着。大きな赤鳥居
全国にある「天王社」の総本山であります
立派な本殿は国の重要文化財
奥から神主さま これからご祈祷に
境内を出てもこんな見どころが

見事な水景。みんなのオアシス


境内を出て来た道を少しもどる。実はさっきのうどん屋さんの目の前が、天王川公園。最初はこちらに先に来るか迷っていたのだけど、やっぱり後にして正解だった。素晴らしい開放感。どこを切り取っても絵になる散歩道。加えて、そろそろ日が暮れる風景も見られる。

天王川公園。まさにオアシス
一瞬ここはどこなんだろ と
当たり前のように水鳥が舞う
水景を楽しめるスタバがあるのも嬉しい
天王川はかつて木曽川支流だった
松林の向こうは見事な竹林
周囲の道も普通に生活道路だ
川湊の名残りが尾張天王祭
夕方の車河戸(くるまごうど)

ここに上げている写真はほんの一部。嬉しくなるほど美しい水辺だった。是非また来たい。そうこうしているうちに、あっという間に日が暮れてきた。帰り道は旧街道を歩いてみる。

いけず石。だとしても出にくい。
帰り道キッズの姿はもうない
帰り道も寺やお堂ばっかり

満喫した。けど今度は堀田家もじっくり見たい。5時間じゃ足りない。

生きてる街にこそ、活きる歴史。

津島では、歴史も生活も現在進行形。ひところ流行った『ユビキタス』って言葉を思い出した。どこにでも神さまが遍在してるとういか、普通に同居してる感じがする。

あといろんな意味でギャップがすごい。確実に物価が昭和のそれだし(時間的)、幹線道以外は街を歩いてて高い建物はほとんどないし、狭い道が続くなかで忽然と現れる総本山の大神社・砂漠のオアシスみたいな天王川公園(空間的)。

まだ見ぬ魅力的な街が、意外と身近にあるのを確信した時間だった。

遠くに伊吹山。津島市街の夕暮れ
赤い名鉄電車が滑り込むホーム。またいつか

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