日記|最近の鑑賞作品と、登場するごはんについて
最近、鑑賞しておもしろかった映画で、食べ物が出てきた作品についてメモしようと思います✍️
下半期はプライベートで新しいことへのチャレンジがあり、11月〜12月はバタバタしてあまり映画を観れなかった月でした。
『アフター・ヤン』
正確には10月に鑑賞した作品。公開のずっと前からとても楽しみにしていました。静かで美しく、まさに「心の琴線に触れる」という言葉がぴったりくるようなセリフや表情に、自然と涙がこぼれます。
人型ロボットが一般家庭にまで普及した近未来。アンドロイドのヤンが故障し修理をする中で、彼の中にある記録装置があることに気づく。
ヤンが見つめていた家族の風景と、彼自身が体験してきた記録。妹のミカの幼い頃、夫婦が寄り添う姿、木漏れ日、ヤンが家に来る前の出来事……。
温かな眼差しで切り取られる膨大な記録に、改めて日々の暮らしの美しさを知るのです。
わたしには、人間とアンドロイドの違いがよく分かりません。アンドロイドは感情が無いようにプログラミングされているけれど、逆に人間は*個の感情がプログラミングされているだけのように思う。
コリン・ファレル演じるジェイクの「ヤンは人間になりたかったのかな」とつぶやきに対して、ある人が「いかにも人間らしい質問だ」と答えるシーンがあります。これこそまさに「人間らしさ」の答えかもしれないと思う。愚かでおこがましくて純粋じゃない。でもそれこそが「人間らしさ」で、「人間らしく生きる」要素のひとつなのかもしれません。
『アフター・ヤン』に登場するごはん
中国茶/ラーメン
ジェイクは茶葉の販売店を営んでおり、劇中でお茶を入れるシーンが登場します。中国の文化に魅せられた様子のジェイクと、ヤンがお茶を飲みながら会話するシーンも印象的でした。
またジェイクと妻のキラが、テレビ電話越しにラーメンを食べるシーンも面白い。ジェイクはおしゃれな小料理屋のような店内でラーメンを食べており、何味のラーメンなのかとても気になる。
家族の住宅や衣装、移動する乗り物や記憶再生装置などの近未来的なアイテムなどすべてのデザインが素晴らしく、そう遠くない未来の、今より進化した世界のデザインであることが伝わってきます。パンフレットのプロダクションノートに少し解説が載っていました。
『ブラック・フォン』
ジョー・ヒルの短編小説「黒電話」をブラムハウス・プロダクションズ製作で映画化した本作。イーサン・ホークのファンなのに劇場公開時に見逃していた作品で、U-NEXTで鑑賞しました。
とある町で子どもの連続失踪事件が発生し、日常の中に静かに、でも確実に迫ってくる恐怖を冒頭から感じる演出がいい。恐怖や焦り、友情や勇気、仲間の助けで成長する主人公など、おもしろさの要素が素晴らしい配分で散りばめられたジュブナイルホラーとして最高の作品でした。
気が強くしっかりした妹グウェンのキャラクターが素晴らしく、兄妹映画としても好きになりました。行方不明になった兄フィニーを捜すグウェンの活躍で、観客は監禁された中と外の出来事を知ることができ、飽きさせることなく話が進んでいきます。
そして初めて完全悪役を演じたイーサン・ホークがやっぱりいい。(マーベルの「ムーンナイト」はまだ未鑑賞)印象的なマスク姿はもちろん記憶に残りますが、映画中盤で見せるイーサンのぽっちゃりした体つきの説得力がすごい。あのシーン、本当に怖いよね……。
わたしがイーサン・ホークを好きな理由のひとつが、「いつまでも少年感があるところ」なのですが、その素敵な部分が本作の誘拐犯グラバーの未成熟さと上手く混じり合い、絶妙な恐怖を作っていました。
「最初は悪役はやりたくなかった」とインタビューでも語っていますが、おそらく楽しんで演じていたのではないかなと思います。
『ブラック・フォン』に登場するごはん
監禁されて食べるごはん/ソーダ/8ドルのウォッカ
監禁されて出される食事は、スクランブルエッグとソーダ(おそらく)でした。ちゃんと食事を与えようとするところが逆に怖い。
『スーパーノヴァ』
こちらもU-NEXTで鑑賞しました。
20年の歳月をともにしてきたピアニストのサムと、作家のタスカーの2人に訪れた早すぎる最後の時間に向き合う姿を描くヒューマンドラマ。
不治の病を前に、最後までともに生きることを願うサムと、愛しているからこそ終わりを望むタスカー。2人が最後に下した決断は観客に委ねる形で終わりますが、自分だったら大切な人の意思を尊重することができるのか、自分の意思を尊重してほしいのか、考えずにはいられない。
とくに本作の2人は芸術家であり、介護によってキャリアが終わってしまう可能性があるため、タスカーの愛するがゆえの想いには胸に迫るものがある。
タスカー役のスタンリー・トゥッチは2009年に乳がんで妻を亡くしており、最初はサム役でオファーを受けていたそうですが、コリン・ファースと役を変えたそうです。彼が受けた喪失感や残された者が何をするべきなか、そんな考えが本作にも反映されているのかもしれないですね。
本作の彼らにも、おそらく大きな壁や耐えてきた辛い出来事があったはず。でもそれを乗り越え、20年の時間をともに過ごしてきた彼らの関係は、心地よく穏やかで、確かな信頼とユーモアにあふれる。この2人の関係に心を奪われます。
『スーパーノヴァ』に登場するごはん
ダイナーでの食事/キャンピングカーで作るごはん/パーティーでの食事/サムが作るグラタン
イギリスの湖水地方をめぐるロードムービーとしても目に嬉しい本作は、途中のダイナーでの食事や、キャンピングカーで作る料理などごはんが登場します。
タスカーの皿には食事が残っており、食欲がない様子が伺えて胸が痛くなりますが、ダイナーでサムに対するちょっとしたイラズラには思わず笑ってしまいます。
本作で料理を作るのはサムですが、スタンリー・トゥッチは料理の本も出しているほどの腕前なので、撮影現場では彼が作った食事をコリンが食べていたようです(いいエピソードだ)
サムの妹の家でのサプライズパーティーでも美味しそうな食事が並びます。トマト煮込みのようなものをライス(サフランライス?)にかけて食べているような……。ここで登場する料理について分かる方がいたら、ぜひ教えてほしいです!
11月に鑑賞した作品✍️
ごはん映画『土を喰らう十二ヵ月』も鑑賞したのですが、こちらは別の記事で残そうと思いいます。そのほか11月に鑑賞した作品はこんな感じ。
シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ(劇場)
ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(劇場)
コンティニュー(U-NEXT)