2024年に鑑賞した中国・香港・台湾の映画と、登場するごはんについて
これまでは年間100本近くの映画を観て、その年のベスト10を出していたのですが、ここ最近は映画を観る気力が少し減って、その代わりに語学勉強に精を出していました。(中国語の勉強の記録はこちらのマガジンに)
2024年は数十本しか映画を観れてないけど、アジア映画は数本観れました。それは中国語を勉強中の自分にとって良いことでした!
2024年に観た中国、台湾、香港映画は『家出の決意』『熱烈』『YOLO 百元の恋』『我、邪で邪を制す』『毒舌弁護人〜正義への戦い〜』『悪女』『この心亡き者』の7本。
ほかにもドラマを観たりしているのですが、映画は新作を中心に、劇場でも鑑賞できたのが嬉しい。
2024年に鑑賞した中国・台湾の映画
『家出の決意』(原題:出走的決心)
池袋で開催された「現代中国映画祭2024」のオープニング作品として上映された『家出の決意』を鑑賞しました。日本に住んでいる中国人の友達が、中国にいる時にこの作品が見れなかったけど、日本で上映されるということで今回誘ってくれました。
主人公の李紅は、家庭のために妥協を重ね、自分の夢は隅に追いやり、よき娘、よき妻、よき母としての役割を果たして生きてきた。大学進学は弟に譲り、夫からは精神的DVを受け、子供には孫の面倒をお願いされる。そんな長い間の苦痛と抑圧の中でうつ病になってしまった彼女だが、50歳を迎え、ついに家を出るという気持ちが生まれた。
何も情報も入れず鑑賞したのですが、とても良い映画だと思いました。少し直接的すぎる描き方もあったと思うけど、ラストの解放感は感動的だった。
それもそのはず、本作は実話に基づいた作品で、蘇敏という女性がモデルになったそうです。蘇敏は「50歳のおばさんのマイカーの旅」という名前で自身のアカウントを立ち上げ、アルバイトで貯めたお金で買ったマイカーで一人旅に出たそう。すごい、その行動力に心から拍手を送りたい👏
本作は中国でも話題になっており、現代中国でこういう作品がヒットし、日本でも上映されたことが興味深いと同時に、とても嬉しく感じる。
▼▼『家出の決意』に登場するごはん▼▼
主人公の李紅が夫に作るトマト卵麺。夫はいつも同じ料理ばかりだと悪態をつく。画面上でしっかり料理は見れないけど、トマト卵麺なんて美味しそうな料理なのに、そんな悪態付くなんて、とこっちまでイラッとした。
また李紅は魚が捌けないのに、夫は釣ってきた魚を捌いて魚料理にしろという。その言い方にまたイラッとした。
ほかに登場したご飯は夕飯時に食卓に並ぶ馒头。お米じゃなく馒头が並ぶのが中国ぽくっていいね。
『熱烈』(原題:熱烈 One and Only)
中国の人気俳優ワン・イーボーのことを、実は私はよく知らないのですが、知らないなりにも本作の人気ぶりを見ていたので、劇場で鑑賞しました。
ブレイキンの全国大会でトップを目指す青年が、挫折を経験しながら夢に向かう姿を描くスポ根作品。ストーリーも分かりやすく、ブレイキンの迫力も圧倒的、誰が観ても楽しめる一本だなと思いました。
▼▼『熱烈』に登場するごはん▼▼
チームメンバーと集まる場では、何かしらごはんが出てきました。
チームのみんなで食べる火鍋、コーチと食べるワンタンや串。また主人公の実家の家業も食堂でした。
懸命に働きながら練習を行い、夢を語り、コーチとぶつかる。人と人を繋ぐ場所に必ず食があったのが興味深い。
『YOLO 百元の恋』(原題:熱辣滾燙 Yolo)
『YOLO 百元の恋』の感想はこちらに。
『我、邪で邪を制す』(原題:周處除三害)
Netflixで観れる台湾作品『我、邪で邪を制す』が話題になっていたので鑑賞。2023年第60回金馬奨で7部門でノミネートされた本作は、良い意味で予想を裏切る面白さでした!
自分が台湾で3番目の最重要指名手配犯であることを知った逃亡犯。野心に燃える彼は、上位にのし上がろうとトップ2人に立ち向かうというストーリー。バイオレンスなアクションが見応えありだけど、展開も意外性があって面白い。
原題の「周處除三害」は中国の故事で、周處という嫌われ者の暴れん坊が虎と大蛇を退治して害を取り除くも、自分も村人にとっては「三つ目の害」であることに気づき、改心するというお話。自分自身も「害」として、あのラストを迎えるのは個人的に好きな終わり方でした。
▼▼『我、邪で邪を制す』に登場するごはん▼▼
葬式のお弁当「スペアリブと豚の角煮どっちも美味しいぞ」というセリフ/尾行中に車の中で食べるパン/香港マフィアが食べる豚血餅/鴨血(ヤーシェ)/棺桶パン/宗教施設で食べる白かゆ/野菜/豆腐にタケノコ/死刑前の食事とタバコ
本作はNetflixで配信されているので、家でしっかりメモしながら観れました。
棺桶パン(棺材板)というものがセリフのみで登場するのですが、調べてみたら台南で食べられるB級グルメだそう。こんがり油で揚げたトーストの真ん中をくり抜いて、中に鶏肉や海鮮、野菜などのシチューが入ったもの。
日本でもパンシチューがあるけど、揚げたパンは使わない気がする。この違いが面白いね。いつか台南に行って食べてみたいな〜。
こちらのnoteで詳しく記載されていたので、ご紹介します!
『毒舌弁護人〜正義への戦い〜』『悪女』『この心亡き者』の3本は、また別のnoteで書きたいと思います。
今年はインプットからの語学学習をテーマにしたいので、もうちょっと映画やドラマを観る機会を増やしたいな!