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ごはん映画

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映画に出てくる食べ物が大好きです。そんな「ごはん映画」について書いた記事をまとめています。
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#料理

映画に出てくる食事はおもしろい

映画に出てくる食べ物が好きで「ごはん映画」として集めています。 収集するのは、食をテーマにしている映画だけではなく、1カットだけ食事や飲み物が登場する作品も対象にしています。そのような収集範囲にしていると、映画を観るときは登場人物たちが何を作っているのか、何を食べて飲んでいるのか、とても気になってしまいます。 逆に全く食べ物が登場しない映画もあります。それはそれでおもしろくて、作り手にとってその作品での、 ・「食」の重要度 ・「食」が担う役割 ・「食」で表現したいこと(逆

2023年上半期映画の振り返りと、登場するごはんについて

ここ最近は仕事と語学勉強が忙しく、あまり映画を観れておらずnoteも書いてない日々が続いていました。仕事の後に授業を受けて、予習や復習をしているとあっという間に1日が終わってしまいます😣 今日は2023年上半期に鑑賞した映画を少しだけメモします✍️ 2023年上半期に鑑賞したお気に入り作品『雄獅少年/ライオン少年』わたしの2023年上半期ベスト1は、中国のアニメーション作品『雄獅少年/ライオン少年』でした。中国の伝統芸能である獅子舞の演者を夢見る少年たちの姿を描いた長編アニ

映画は光だった|『エンドロールのつづき』

『ニュー・シネマ・パラダイス』をはじめ、現在公開中のスティーヴン・スピルバーグ監督『フェイブルマンズ』まで、「映画を題材にした映画」や「映画館についての映画」はやはりグッとくる作品が多いです。 映画界や映画人を題材にした作品も多くあり、『雨に唄えば』をはじめ『バビロン』もサイレントからトーキーへの時代の移り変わりを描いていると聞きました(わたしはまだ『バビロン』は観れてないのですが😭)邦画では活弁士を描いた周防正行監督の『カツベン!』も良かったですね。 変化球としては、テ

こよみの引き出しが開く映画|『土を喰らう十二ヵ月』

作家・水上勉の料理エッセイ「土を喰う日々 わが精進十二カ月」が原案の映画『土を喰らう十二ヵ月』を11月に鑑賞しました。 料理研究家の土井善晴さんが劇中に登場する料理の数々を手がけたということで、映画に出てくる食事シーンを収集している者としては観なければ!とわくわくしながら劇場に向かいました。 映画は冬から始まり、春、夏、秋を描きます。季節の移ろいと共に生活の様子を捉える作品というと『リトル・フォレスト』を思い出しますが、本作は2時間で1年を描き切るので「旬を逃さない」という

日記|最近の鑑賞作品と、登場するごはんについて

最近、鑑賞しておもしろかった映画で、食べ物が出てきた作品についてメモしようと思います✍️ 下半期はプライベートで新しいことへのチャレンジがあり、11月〜12月はバタバタしてあまり映画を観れなかった月でした。 『アフター・ヤン』 正確には10月に鑑賞した作品。公開のずっと前からとても楽しみにしていました。静かで美しく、まさに「心の琴線に触れる」という言葉がぴったりくるようなセリフや表情に、自然と涙がこぼれます。 人型ロボットが一般家庭にまで普及した近未来。アンドロイドのヤ

安心という名の家を建てる|『サンドラの小さな家』

映画に登場するごはんが好きです。 理由については記事を書きましたが、わたしは映画の中の登場人物たちが生活している姿が好きなのだと思います。 そして食事と同じくらい興味深いのは住宅事情。家や部屋というのは、映画の登場人物たちの生活を様々な形で観客に伝えます。 家で過ごす時間が好きです。映画館にはよく行きますが、基本はインドアで出不精、よく晴れた日に昼寝をするのも気持ちいいし、家の中で雨を眺めながらの昼寝も好きです。(よく眠ります) ここ2年は不要不急の外出を制限されることもあ

レストランの誕生を描く、とってもお腹がすく映画|『デリシュ! 』

このnoteでは映画に登場するごはんをメモしていますが、先週は世界で初めてレストランを作ったという実話を元にした映画『デリシュ! 』を鑑賞しました!(ごはん映画のマガジンはこちら) 1789年、革命直前のフランス。貴族と庶民が一緒に食事を楽しむことなんて考えられなかった時代に、世界で初めてのレストラン開店を描く作品です。 ぷっくりした手の持ち主が、生地をこねるシーンからこの映画は始まります。だんだんとまとまりを見せる生地に、卵やミルクを加えながら、さらに練り上げていく。そ

スリリングな一夜は『ボイリング・ポイント/沸騰』のレストランで。

このnoteでは映画に登場するごはんについてメモをしています。映画を観るときは「あ!食べ物が出てきた」「あれは何を食べているんだろう?」と、いつも気にして手帳にメモしながら鑑賞しています。 ▼ごはん映画をまとめたマガジンはこちら▼ そんな中、下半期一番楽しみにしていた作品『ボイリング・ポイント/沸騰』が公開されました!レストランが舞台で、なんと全編90分ワンショット撮影したという驚きの作品。公開劇場が限られているので、満席の回も多くあったようです。 本作では料理だけでは

『大怪獣のあとしまつ』鑑賞記念|三木聡監督作品に出てくるごはん

2月に公開された『大怪獣のあとしまつ』はいろんな意見が出ている作品ですね。「怪獣を倒した後の片付けを誰がするのか」という設定に興味を持ったので、公開してわりと早い段階で観に行きました! 残念ながら、個人的には大好物な作品にはならなかったですが、いいところもあった映画なので、ぜひ感想は自分で鑑賞してから発信してほしいなぁと思います。 (いろいろ言いたくなる気持ちも、もちろん分かる) noteでは映画に登場するごはんついての記事を書いているのですが、わたしとしたことが、本作で食

一緒なら強くなれる!|『ボブという名の猫2 幸せのギフト』のクリスマスディナー

「ビッグイシュー」を毎月購入しています。 わたしの住んでいる路線には各駅に販売員さんがおり、会社へ出社している頃は直接購入していましたが、いまはリモート勤務になったのでオンラインで購入しています。 「ビッグイシュー」は、ホームレス状態の人に雑誌販売という仕事を提供し自立を応援する社会的企業で、イギリスで発祥した雑誌です。 「社会的自立を応援する」という理念に賛同して購入していますが、何より雑誌の内容が面白いです。たくさんのハリウッドスターが表紙を飾っており、映画好きならイン

2022年1月に観た映画と、登場するごはんについて(おうち鑑賞編)

noteでは映画に登場するごはんついての記事を書いています。ごはん映画記事をまとめているマガジンはこちら。 前回は1月に劇場で鑑賞した作品についてメモしたので、今日はおうちで鑑賞した作品について書こうと思います🎬 ▼1月におうちで観た映画 お正月はマトリックス3部作をしっかり復習。新作『マトリックス レザレクションズ』の短い感想はこちらに書きました。 『逃げた女』 ホン・サンス監督の『逃げた女』は食事シーンが多く、noteを書きたいなと思っていた作品でした。 5年の

インドネシアのごはん映画|『アルナとその好物』

前回、「CROSSCUT ASIA」というオンライン映画祭で鑑賞したシンガポールのごはん映画『ワンタンミー』についての記事を書きました。すごくいい映画だった…! 本日はこの映画祭で鑑賞した、インドネシアのごはん映画『アルナとその好物』についてメモします。 東京国際映画祭の一部門として、2014年から2019年の6年間にわたり、国、監督、テーマなど、さまざまな切り口で東南アジア映画の特集上映を行ってきた「CROSSCUT ASIA」がオンラインで開催。2022年1月21日〜2

シンガポールの食と街の映画『ワンタンミー』とわたしの旅記録

2019年9月、シンガポールへ旅行しました。 キレイで安全な街と、様々なルーツを持つ多民族な人々の暮らし。動物園や植物園などの観光名所も楽しく、写真をたくさん撮りました。場所によってはインドに来たかのようなリトルインディアや、中華系のお店が並ぶチャイナタウンなど、様々な文化が入り混じる素晴らしい国でした。そして食事は全ておいしかったという思い出があります。 そんな個人的にも思い出深い国、シンガポールのごはん映画『ワンタンミー』を鑑賞しました。 東京国際映画祭の一部門として

¥100

キッチンに立つ人には敬意を払うべき|『グレート・インディアン・キッチン』

Twitterで流れてきて、「うわ〜これは観なければならない映画だ!」とビビビと来てたインド映画『グレート・インディアン・キッチン』を鑑賞しました。 インド、ケーララ州北部を舞台に、ある一組の夫婦の姿を通して、インドの中流階級に根強く残る家父長制やミソジミー(女性嫌悪、女性蔑視)を鋭く描いた一作。 本作は配信限定の作品で、(映画祭を除いて)劇場にて一般公開されるのは日本のみだそうです。大手から配信を断れたが、インド本国でも女性観客の支持を得て、口コミで話題と評判が広がり、大