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主人の両親の家がこのたまプラーザで建った第一軒目の家なんですよ。

主人の両親の家がこのたまプラーザで建った第一軒目の家なんですよ。土地が決まってすぐ写真を撮り始めたのが1966(昭和41)年らしくて貴重な写真が残ってるんです。

66年から67年に家を建てて、そのころは荒野の中の一軒家で東名の川崎インターからうちの灯りが見えたそうです。家の真ん前が工事の材木置場で、団地を造るための作業場になっていて、昼間は母一人ですよね、工事をするおじさんたちがいっぱいいたのがちょっと怖かったって言ってましたね。火を燃やしたまま帰っちゃうこともあったそうです。今思えば、のんきな時代ですよね。

当然自治会館も建物なんかなくって、何軒かの人たちと集まって自治会館を作る組織を作る、そういうところから始まったようなことを聞きました。川崎との市境を貫通させるあの道路の問題なんか、義母たちが絶対にそれはナシ、という約束を取り付けたと聞いてますから、今それが崩れようとしてるっていうのはとってもなんか……もうぜひぜひそれを守りたいっていうのは強く思っています。

その両親の家を二世帯にして私たちが引っ越してきたのは1980年です。小学校の真ん前に住んでるんですけど、結構子どもたちのかわいそうなとこを見たりするんですよ。一人で門が開かなくてどうしようかって困ってたり。そんなところをたまたま見たりすると、私こういうほっとけない性格があるもんで、「どうしたの?」とかって聞いたりするんです。そうすると学童の「はまっ子」に来たんだけど鍵が開いてなくて、お母さんたちも家にいないって言ったり。そうやって子どもたちが困ってるときに、何かできることはないかなと思って、はまっ子の先生に何かお手伝いすることがあったらいつでも言ってくださいってお声がけしたんですよ。そしたら次の日すぐ先生が飛んできて、あります、はまっ子の理事長にって。えーできるかなと思ったんですけど、お話を聞いて学校とのつながりもあるっていうから、じゃあやりますって言って。

今ははまっ子から「放課後キッズクラブ」っていう名称になって6年ですね。キッズは子どもにとってすごく大事な居場所ですね。学校と家庭の真ん中のポジションで、安全に思いっきり遊べる場所です。子どもたちって結構習い事があったりして意外と遊んでないんですよ。この曜日とこの曜日は習い事があって駄目とかって結構忙しいんですよ。だから主任と副主任はあんまり詰め込まないようにしてらっしゃいます。地域性もあるのかも知れないけど、美しが丘小学校の子はすごくみんなお行儀が良くて、そんな飛び跳ねたお子さんがいないみたいで。ちょっとのんびりした感じで子どもたちにとってはいい場所だと思います。

この事業は5年ごとで、今年スタートの年。だから5年間は安泰なんですが、それを過ぎた10年目にね、また市や青葉区の人にプロモーションしなきゃなんないんです。なんか最近はいろんな業者がカリキュラムを組んだりする事業をやりたがってるみたいで、何校も持ってるような業者があるらしいんですよ。そんな業者に美しが丘小学校も狙われて持っていかれちゃったら……と思うと嫌でしょう。私はいつも正直にキッズとかこの美しが丘がこういうのんびりした雰囲気だっていうことを、素直に表現するだけなんですよ。だって美小や美しが丘ってそういうところが魅力だと思うから。そこをそういう大手の業者に変えてもらいたくないっていうか。この地域にあった形でお子さんの心も育ってるわけですから。でも5年後は私も歳になっちゃうからできないかもしれない、でも頑張りたいと思ってるんですよ。

好きな場所をいろいろ考えてみたんだけど、ユリノキの並木道がすごくいいですね。団地から美小へ上がるところに太鼓橋があるんですけど、そこから平津三叉路の方を見るとユリノキがバーッとあるんですよ。バス乗ってても、車で走ってても、あ、ここに住んでてよかったーって思いますね。ユリノキがちょっとずつ色が変わっていくとことか、秋もいいし。でも一番好きなのは新芽がちょっと出たとき。もうあっという間にどんどん大きくなっちゃうんですけど、ユリノキの新芽、あれがかわいくてねー。若草色のね、なんか柔らかい感じ。

インタビュー:2021年 夏

このおはなしは2022年No.008号に収録されています。

この度、2014年から発行を続けてきた冊子「街のはなし」1号〜9号を1冊の書籍にまとめることになり、クラウドファンディングを始めました。

シンカブル(Syncable)からご寄付いただけます。

昭和のニュータウンの温故知新。
住民のまちづくりの努力の蓄積と街の成り立ちを共有したい。

100人のナラティブ・地域の変遷と社会の変化を伝える 記憶を記録する本
たまプラーザ「街のはなし」書籍化プロジェクト

すでにご寄付をいただいている方には、御礼申し上げます。とても励まされております。そして、これまでご協力・応援してくださったみなさまにも、オンラインの寄付を通して、書籍化プロジェクトの仲間になっていただけたら嬉しいです

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企画・文: 谷山恭子
写真:小池美咲

編集・校正: 谷山恭子・藤井本子・伏見学・街のはなし実行委員会

発刊:街のはなし実行委員会

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