失敗はさておき、ピクニックに出かけよう
昨日は朝から失敗続きだった。
寝起きで飲もうとした水を床にこぼしてしまった。そんなに多くの量ではなかったけど、タオルを持ってきて水を拭くことになった。
クローゼットの棚からタオルを取り出そうとしたら、積み上げていたタオルが崩れ落ちてしまった。
床に広がるタオルを見て今日はなんかだめな日だなと感じた。私は何をしているんだろう。
いつもならなんてことなく水を拭いたり、タオルを棚に戻したりするはずなんだけど、昨日は心の調子が不安定な日だったので小さな失敗で大きく自分を責めてしまう。
こんな日はどのようにして鬱々とした気分から抜け出そうかと考えた。カーテンを開くと外は晴れていた。
そうだ!こんな日は失敗はさておき、ピクニックに出かけようと思い立った。
****
ピクニックに欠かせないのは弁当とおやつだ。
おやつは昨日買った甘い甘いメロンパンにするとして、弁当は今から作ることにしよう。
でも弁当の中身を凝りすぎるとまた失敗して、ダメだわたしと自分を責めてしまいそうなのでシンプルにしよう。
まずは冷蔵庫からたまごを2個取り出す。
ヒビを入れるときのコツコツという音がとても好き。今日は自分を甘くするぞ!という決意を固めるために、砂糖を入れてあまーいたまご焼きにしていく。
その次は冷蔵庫からソーセージを2本取り出して焼いていく。ジュージューと音を立てているソーセージはフライパンの上で踊っているようだ。
ここからはお弁当を詰める作業に移っていく。
温かいご飯をふんわりと詰めていく。先ほど焼いたたまご焼きとソーセージもちょうどいい大きさに切り分けた後に詰めていく。
あとは彩りを加える作業だ。
冷蔵庫からミニトマトを、冷凍庫からブロッコリーを取り出してお弁当に添えていく。
すぐに蓋を閉めると蒸気でもわんもわんになってしまうので、準備をしている間に少し冷ましておく。
失敗しないように焦らずゆっくりと着替えをする。部屋着からお出かけ着に着替えると新しいわたしになった気がして心まで変身した気分になる。
今度はこぼさないように水筒に水を慎重に慎重に入れていく。こぼさずに水を入れることができた!やったね!
****
目的地は海の見える公園だ。少し時間はかかるけど、散歩がてらに徒歩で向かうことにした。
寒くなりすぎると外に出ることが億劫になるけれど、このくらいの寒さは散歩するのにちょうどいい気温だと感じる。
トコトコトコと歩いていると海の見える公園にたどり着いた。
日曜日だから人はそこそこいたけれど、この公園には海が見えて、あまり多くの人が気づいていない場所があるのだ。
ベンチに腰をかけてすぅーーーーっと息を吸って、ふぅーーーーっと息を吐く。空気が美味しいとはこういうことなのかもしれない。
持ってきたお弁当を開くこの瞬間は中身が何か分かっていてもワクワクする。
ご飯と、たまご焼きと、ソーセージと、ミニトマトと、ブロッコリーが入っていた。彩りも良くてとても美味しそうだ。
パクパクと食べ進めていく。青空の下で食べるお弁当はとても美味しい。
雲ひとつない青空と海との境界線はいったいどこなのだろう。
どこまでも続く広くて大きな海を眺めていると、失敗続きで私はダメだと思っていた自分は、すーーーーーっとどこかに消えていった。
わたしは物事をネガティブに捉えてしまうことが多いので、すぐに自分を責めてしまうことが多い。心が不安定なときは特にそうだ。
でもそんな時が多いからこそ、そこからの抜け出し方も数多く知っている。
そのうちのひとつが、お弁当を持ってピクニックに出かけること。
それだけのことで落ち込んでいるのかという日は、それだけのことでと思われる些細なきっかけで元気になれる。
今日のわたしもダメじゃない。いつだって素敵だよ。