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【佐々木貴史さんインタビュー】松ヶ丘子ども食堂の代表として多世代間交流を目指したコミュニティを創設
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プロフィール:新潟県生まれ。旅行会社に就職をし、現在はJAとうかつ中央に勤務。千葉県柏市に住んでいたが、持家を購入する際に千葉県流山市の松ヶ丘へ引っ越し。流山市では地元の消防団員として従事。2021年に松ヶ丘子ども食堂を代表として設立。
INTERVIEW1:子育て世代の男性によるこども食堂の立ち上げ
流山市松ヶ丘にお住まいの佐々木さんは、JAとうかつ中央に勤務し、多くの農家さんとの出会いに恵まれ、職場の先輩からの勧めで消防団へ入団し、10年以上の長きにわたって地域と深い交流を重ねてきました。
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そんな関係の中で、2021年には松ヶ丘でこども食堂を立ち上げられています。きっかけは、東葛地区6市(松戸・柏・野田・流山・鎌ヶ谷・我孫子)のこども食堂の協力により設立された「とうかつ草の根フードバンク※」の代表から相談を受けたことが始まりでした。
※とうかつ草の根フードバンク・・・企業や家庭から寄付・寄贈された食品などを、地域の必要とする家庭やこども食堂などの団体に届ける活動をしている。
当時、流山市松ヶ丘の近辺にこども食堂はなく、松ヶ丘にこども食堂があれば市内の全公立中学校の通学エリアをカバーできるという話に共感をした佐々木さんは、「せっかくなら松ヶ丘地区の第1号としてこども食堂を立ち上げよう!」と決意されます。(流山市内のこども食堂で作る流山子ども食堂ネットワークでは、市内の各小学校区に1つ以上こども食堂がある状態を理想としています)
こども食堂の立ち上げ当初は、子どものパパ友やSNSにより集まった子育て世代の父親が中心となり動き始めたところ、仕事で知り合う農家さんや地域活動としてやっている消防団員の仲間が力を貸してくれるなど、今では地域に住む子どもの祖父母世代の助けも借りながら20名ほどのスタッフで運営をしているようです。
立ち上げ時はコロナ禍であったこともあり、最初は食材を配る「フードパントリー」として始まりましたが、最近は様子を見ながら食事の提供も行っています。場所はさまざまな候補の中から体育館がある松ヶ丘自治会館を選んだので、スペースも広く、自由度も高いようです。
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INTERVIEW2:こども食堂をきっかけに多世代間交流が出来るコミュニティ
佐々木さんがこども食堂を立ち上げる決意をした背景には、もともと大学時代に国際交流を学ぶ中で、異文化の交流や交流によって生み出されるコミュニティのすばらしさに興味・関心を引かれた所にまでルーツは遡ります。
従来のこども食堂のイメージが先行して、立ち上げ時には地域の方から松ヶ丘に貧困世帯は少ないという声も出たようですが、佐々木さんは「世代や家庭状況に関係なく地域の誰でも集うことが出来るコミュニティ」で地域の大人が地域の子どもをみる、そんな状態を目指しているようです。
今後、多世代間交流を目指した活動を推進していくために『こども食堂』という言葉を外して別の団体名に変更することも考え始めているようです。
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INTERVIEW3:新潟県から移り住んだ流山市でコミュニティの核に
佐々木さんはこども食堂以外にも地域のマルシェで地域野菜を販売するなど、多岐にわたる活動をされています。そのどれもが、「地域×人」「人×人」といった交流を生み出す活動となっており、一貫性を強く感じられます。
流山市では、会社勤めをしながら子育てをしている子育て世代の父親が、こども食堂の代表や地域活動の核を担うことはとても珍しいケースではないでしょうか。
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「ロールモデルがいるかいないかより、興味があるならまずやってみることが大事だと思う。何か新しい活動を始める中で壁にぶつかることは承知の上です。」と佐々木さんは語ります。
流山市での居住歴が長いとは言え、生まれ育った新潟県から最初は知り合いのいなかった流山市に移り住んで徐々に地域に馴染み、今では自らがコミュニティを創設し、その核として先頭を走られている姿は、地域活動をしたいと考えている多くの方にとって参考になるかもしれません。
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<過去のバックナンバーはこちらからご覧ください>
編集後記
佐々木さんの活動の背景には、流山市で長く活動されている先駆者や地元民の方々との良い出会いがきっかけとしてあることをインタビューの節々から感じ取ることが出来ました。
私のような新規転入者は、地域コミュニティの中で役に立つには何から始めればよいのか悩むことがあるかもしれませんが、地域との交流を通して、その中で自分がやってみたいと感じたことを「とりあえずやってみる精神」で取り組む佐々木さんスタイルが1つの見習いたいカッコいい姿だと感じました。
インタビュー後、松ヶ丘子ども食堂に足を運んでみて、その交流の始まりの場がここなのだと実感しました。
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インタビューア/北島プロフィール:千葉県流山市在住の1児の父。流山での定住や子育てをきっかけに地域活動へ参加を考えmachiminへ訪問。得意や好きを活かした事業活動を考える中で、「流山やmachiminに関わる方へインタビューをして憧れの存在を見つけられたら楽しそう」と思い立ちメディアの立ち上げに着手。サラリーマンをやりながら、父親として・一個人として地域に関わる生き方・働き方を探求中。