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どんな地域でありたい?「探究と表現」で未来を考える仲間を増やす#米沢まちづくりラボ #津田和男 #MIEF
「こんな地域でありたい!」と未来を描いて行動する人たちが地域に増えたら、どれだけポジティブな社会が待っていることでしょうか。
山形県 米沢市で6月22日に開催した「米沢まちづくりラボセミナー」では、「探究と表現」を通して、社会をポジティブに変える人たちを育てる授業をニューヨークで30年以上行ってきた「世界で活躍する国際的教育者」をお招きし、「米沢や社会に対して考えていることを深掘りして、表現するワークショップ」を行いました。
「米沢まちづくりラボ(まちラボ)には、どんな想いを持っている方が参加されているのか?」の紹介も含めて、今回のまちラボセミナーで学んだことをレポートしていきたいと思います。
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米沢の方々があたたかく迎え入れてくださり楽しかったです!
『米沢まちづくりラボ』は、「米沢を圧倒的に面白いまちにしたい」というビジョンのもと、山形県米沢市を拠点に全国から知恵やネットワークを呼び込み、世界から注目される事業を生み出していくコミュニティです。 直近では、定期的に県外から講師を呼んでセミナーを開催するほか、まちを盛り上げるための具体的なプロジェクトをどんどん創り出していきたいと考えています。
・この記事は3分で読めます・
【テーマ】
自分自身の関心ごとに気づく。そして深掘りする。
今回の講師は、津田和男さん。
ニューヨークの国連本部職員の子ども達が通うインターナショナルスクール(国連国際学校)で約50年間、日本語教育と探究学習の発展に尽力された全米でも著名な教師の一人です。
2019年より、津田さんがこれまで培ってきた「探究と表現」のメソッドを日本においても展開すべく、全国各地でワークショップを開催しています。
米沢においても、津田さんが中心となって国際祭フェスティバルを毎年開催するなど、子ども達の学びに、深く関わってくれています。
今、日本の教育現場でも推進されている探究学習の本質を伝授してもらうのみならず、「探究のプロセスや結果」の「発信」を重視する津田さんならではの「表現」にも焦点を当てたスキルを改めて学ぶ機会となりました。
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【ゲストスピーカー】津田 和男さん
1948年埼玉県出身。1974年よりニューヨーク国連国際学校(UNIS)で48年教鞭を執り、国際バカロレア(IB)の理念を継承したワークショップを各地で行っている。ニュースクール社会研究大学院修士課程修了、ニューヨーク大学博士課程満期修了中退、同大学で日本語を教授。1992年より米国北東部日本語教師会(NETCJ)会長。全米の日本語教師会の理事を歴任。2022年、全米日本語教師会(AATJ)のLifetime Achievement Awardを受賞。現在、日本国内でも一般社団法人MIEF(Movement for International Education Field)の代表を務める。
当日は、津田さんのファシリテーションのもと、前半はメンバー同士が探究したいテーマをシェアし、後半はそれぞれの探究したいテーマを深掘りして発表しました。
▼自分自身の関心ごとを仲間に打ち明ける
今回のまちラボセミナーは、米沢市内の経営者・市議会議員・コミュニティセンター職員・お父さんお母さん・教育関係者・起業家・農家・高校生をはじめ、米沢の地域プロジェクトにゆかりのある山形市在住の大学生や東京在住の起業家も加わり、総勢25名が参加しました。
年代も、高校生から70代までと幅広く、お父さん・お母さんの視点から子ども達の学びを議論する場面もあり、活発な意見交換が行われました。
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津田さん:「探究」は「深く掘り下げて学び、物事をみきわめようとする」という意味ですが、変化の激しい現代において、その重要性は増す一方です。高校の授業でも「探究学習」として、自ら課題を設定する「総合的な探究」が加わってきており、若い世代では身近な営みになりつつあります。
しかし「探究」という学びは、私たちが学校教育の場で経験してきた「暗記」などとは大きく異なります。いかに「探究」するか - 高校生だけでなく大人の私たちもまだ手探りではないでしょうか。また家庭の経済状況に依らずに「学びの機会」を広めていくことも、常に挑戦すべき課題だと感じます。
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津田さん:また、探究は「表現」することをセットで行うことが重要だと考えています。それぞれの「探究」していることを、ブース・演劇・スピーチ・パフォーマンスショーなどの「表現」を行い、表現を通した交流の機会を持つことで自らの探究が深まっていく機会に繋がります。
ワークショップの前半では、一人ずつ「自己紹介」と「自分が探究したいテーマ」について、共有しました。
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今回の参加者は、子育てや教育のあり方を探究のテーマとして関心を持っている方が多くいらっしゃいました。抜粋して紹介します。
[母親 / 市議会議員]
「私は、“子どもたちが、将来は米沢で暮らしたい”と思える価値観を街全体で育んでいきたいと思っています。今の米沢の中高生は、学校で地域探究活動を通じて”米沢のいいところ探し”をする機会が増えて、米沢での生活にポジティブな想いを抱いている子もいます。ですが、親の考えで“米沢はいい街じゃないから出て行った方がいい”と勧める家庭もあります。子どもたちが親のフィルター関係なく自分の意思で考えられる街でありたいですし、家庭以外でも地域活動の場を通して色んな大人たちに触れることで“米沢にはワクワクした背中を見せる大人もいるんだ!この街で住むのも面白そう!”と影響を与えられるにはどう働きかけられるかを考えています。」
[父親 / 製造業 経営者]
「自分の子どもは米沢の公立の学校に通っているのですが、自分の子ども時代と30年以上経って社会は大きく変化しているのに、学校教育で学ぶことが思った以上に変わっていないことに疑問を感じています。ただ、学校を変えるには時間が足りないため、家庭で自分は子ども達にどう接することができると、この時代に適応できる学びを届けられるか?を考えています。」
[母親 / 移住者]
「転勤の都合で子ども達は以前はインターナショナルスクールに行っていたのですが、日本の学校に通い始めてからは、否定から入る日本の学校の教育方針に息苦しさを感じている子どもの姿を目の当たりにしていて”子ども達自身がのびのびとできる時間や接し方ができる地域や社会でありたい”と思っています。最近は同じ志を持ったお母さんと出会って、子ども達がのびのびと過ごせる場づくりの活動を始めました。ですが、周囲の親御さんからは“好きなことだけやられたらちょっと困っちゃうな….”と分かり合えないことも多々あります。それぞれの家庭の考え方はあると思うのですが、自由にのびのびと過ごす選択が受け入れられる社会にするにはどう働きかけるといいだろうか?と考えたいです。」
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住むまちに対する誇りをどう醸成していけるか?という問いや、哲学的な幸せや働き方の価値観の話も出てきました。
[コミュニティセンター職員]
「1000人近く住んでいる地区のコミュニティセンターの職員をしています。”過疎と呼ばれる地域でも、どのように働きかけられると、みんなが自分の地域に自信を持って楽しく暮らしていけるのか?”ということを考えています。そして、家業もあるので非常勤という働き方の中でのコミット度合いになってしいまいますが、限られた中でも自分は地域にどう関われるか?を考えています。」
[起業家]
「“幸せってなんだろう?仕事を通じて何を実現していきたいのか?”について、常に考えています。私は以前、フィリピンで暮らしていたことがあるのですが、フィリピンの方達が幸せに生活する姿を見て、幸せってなんだろう?幸福ってなんだろう?を考えるきっかけになりました。自分が社会にどう役に立てるのか?も含めて、考え続けたいです。」
[製造業 経営者]
「社員を抱える立場として社員の幸せを日々考えているのですが、その延長で漠然と思っているのが、”もしそれぞれが好きなことをしたら、社会は成立しなくなるのかな?”と考えていました。仕事=お金を稼ぐために我慢するもの、という価値観ではなくて、働くことが生きがいになることはできないのか?と考えたいです。」
などなど、他にもそれぞれの視点からのオリジナリティある探究したいテーマについて共有しました。津田さんからは、“探究を深めるための新たな問いかけ”をいただき、メンバー同士でそれぞれの考えを交換しました。
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▼探究したいテーマを深掘りして、精度を高める
後半は、探究したいテーマの深掘りと表現の時間です。探究したいテーマを深掘りするために「リサーチ・クエスション」というものを考えました。リサーチ・クエスションとは、探究を深めるために、現時点で考えている自身の探究したいテーマへの「問いと解答」を3つ設定するワークです。
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このように紙に書いたら、ポスターセッション形式で発表します。発表を観る側は、参加者自身が設定した「問いと解答」に対して、さらに質問を投げかけます。質問を投げかけることで、参加者が自分だけでは思いつかなかった方向への深掘りをする機会として、相手の探究活動の手助けをします。
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津田さんからは、皆さんが質問するときの癖として、日本の国語教育で習ってきた“心情の変化を深ぼる質問”が多いため、数学的な観点から質問したり、「Yes, but…」を口癖にして、「この観点からはどう考える?」と質問し合えると、探究活動が促進しやすくなるというアドバイスをいただきました。
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ー参加メンバーの感想ー
参加者代表として、高校2年生の鈴木さんにインタビューしてみました!
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①どんなことを「探究したいテーマ」として設定しましたか?
僕は「難民の方が幸せに暮らせる社会をつくること」が探究したいテーマです。そこで、今回のリサーチ・クエスションでは「なぜ日本人は難民に対して興味関心が低いのか?」ということを設定して、考えていきました。
②参加した感想を教えてください!
津田先生は良い意味で物事や自分のダメなところ、良いところをバッサリ言ってくれるところが一番の魅力だと思っています。それに、経験値も豊富だし、色んなことを知っていて、それを用いて真剣に探究を助ける、一緒にやっていく姿がかっこいいと感じます。
また、普段は話すことの無い大人の方々と話して自分の夢や考え方が広がりました。自分はずっと学校の中で探究をしていたし、出会いや交流なんてあまりなくて、そういう状況で参加したワークショップはほんとに声の1つ1つが新鮮だったし、米沢を良くしようとする姿にとても胸を打たれました。なぜなら僕は早く上京したい側の人間で、田舎の可能性というか、町おこしの精神というものを見せて貰ってすごく感銘を受けました。
さいごに
今回のワークショップを経て、「この人は地域の活動で顔見知りだったけど、こんな関心ごとを持っていたのか!」とお互いを知る機会になったと共に、他の方の探究したいテーマの力になりたいと思う機会になりました。
地域や社会をポジティブにしたいという想いを、それぞれの立場から願い、行動する方々が山形県米沢市には沢山います。一人では影響力が小さなことも、仲間と共有して一緒に探究していけると、強いチームになることを感じます。
実は、このワークショップの第2弾が2024年10月26日に開催予定です!
ぜひご参加ください!!
▼参加申し込みフォームはこちらから!
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ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
まちラボの活動日記をnoteに定期的にあげていきたいと思いますので、
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【まちラボ事務局 谷山 :norika.taniyama@machilab-yonezawa.jp】