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「まちの保育園・こども園で はたらく」ということ

こんにちは! まちの保育園・こども園、広報部です。

前回の記事では園の「食」について取り上げてみましたが、
今回は「保育者」に着目して、こんなことを書いてみようと思います。

まちの保育園 南青山

「まちの保育園・こども園で働く」って、どんな感じなんだろう?

ここからは、2024年5月に行われた【まちの保育園・小竹向原園】での採用説明会※ の様子を交じえながらお伝えしてゆきます。(※当日は現地開催+オンライン参加ありのハイブリッド型で行われました)
まちの保育園・こども園での仕事にご興味のある方や、どんな人が働いているんだろうという、園という場所を知っていただく参考になれば幸いです。


まちぐるみの保育、まちづくりの拠点のような場

●まちの保育園・こども園には「保育のなかで大切にしている7つの視点」というものがあります。本記事では詳しく触れませんが、よろしければ園パンフレットも併せてご参照いただけると嬉しいです。

採用説明会のはじめには、代表の松本が園の理念や事業内容について説明。
まちの保育園・こども園が目指すのは「まちぐるみの保育」。これには2つの想いがあるといいます。

ひとつに、地域の人々と一緒に子どもたちの育ちや学びを充実させていきたいということ。
もうひとつは、地域の幸福=ウェルビーイングを充実させていく役割を保育園や学校が担えるのではないかということ。つまり、まちづくりの拠点となるような場をつくっていきたいということです。

まちのこども園 代々木公園のコミュニティスペース「ドマリエ」。コミュニティイベントや交流会、レッジョ・エミリア・アプローチの展覧会など、多様な催しに活用

こうした考えをもとに、運営する6つの園全てに、地域に開かれた場があることが特徴の一つ。小竹向原の園にカフェ「まちのパーラー」が併設されているように、コミュニティスペースがどの園にも付属しています。
地域・こども・保護者・保育者の橋渡しをする「コミュニティコーディネーター」という職種を配置しているのも特徴です。

まちの保育園 小竹向原と共にある「まちのパーラー」(建物左)

また、保育園・こども園の運営を軸としながら、社会(自治体や大学などの教育/研究機関、企業など)との共創事業も大切にしています。渋谷区と一緒に子育て支援に取り組み、その一環として子育て支援センター『coしぶや』を運営していること、東京大学の発達保育実践政策学センター・CEDEPと共同研究を進めていること、イタリア発の教育アプローチ、レッジョ・エミリア・アプローチからも学び合っており、その国際ネットワークの日本代表窓口にもなっていることなどをお話しました。

渋谷区の子育て支援センター「coしぶや」
(別名:渋谷区神南ネウボラ子育て支援センター)

こどもに多様な出会いを

まちの保育園 小竹向原

松本が園の理念について説明するなかで「個人内多様性」というキーワードがありました。多様性というのは近年とても大事な概念となっていますが、最近は“個人の中にいかに多様性を持つか”という考え方が注目されています。何かを創造する、他者への理解を深める、幸せを感じる。こうしたことのためには、自分の中にさまざまな価値観や考え方を蓄えていくことが大事なのではないかと話します。

いろいろな考えやアイデアの持ち主、多様なパーソナリティに出会うことによって、多様な価値観や思考が蓄えられていく。だから、こどもたちの出会いの場を園の中だけではなく、地域や社会全体に広げていきたいのだと。

まちの保育園 六本木(分園)の軒先にあるカフェ「まちの本とサンドイッチ」。
地域に住む人・はたらく人、卒園児など、毎日さまざまな人が訪れる

こどもの声を聞き、大人もよく学ぶ

最後に「こどもたち一人ひとりの声が聞かれていること」をずっと大事にしてきたと話し、声なき声も含め、自分の声がきちんと聞かれていると子どもたちが感じれば、一人ひとりが自分の考えや行動に価値があるのだと思えるはず。そうした経験を通じ、世界は自分たちで変えていくことができるという自信を子どもたち一人ひとりが持ってほしいといいます。

まちの保育園 吉祥寺
まちの保育園 南青山

一方、こどもは自分が出会う世界にいつも耳を澄ましている存在です。だからこそ、そばにいる大人がとても大事な存在になってきます。
「こどものそばにいる私たち大人がよく学んだり、人生に対してワクワクするということを大事にしていきたい。そして大人も自分たちの声を聞き合い、お互いの個性を尊重し合うことを大切にしていきたい。それが、実は私たちの一番中心にあるメッセージなのではないか」。
そんな言葉で松本の話は締め括られました。

保育の中心にある「ドキュメンテーション」

まちの保育園・こども園では、ドキュメンテーションも大切にしているツールの一つ。

ドキュメンテーション・・・こどもの学びのプロセスを、写真や文章などで記録したもの。園内にたくさん掲示したり、お便り等で保護者と共有したりしています。

まちの保育園 小竹向原のエントランスに掲示されているドキュメンテーション

会のなかでは、小竹向原園・1歳児クラスの担任が、自身が作成したドキュメンテーションを実践共有として紹介。1歳の子に対し、周りの年上の子たちが関わろうとしている様子を記録したもので、1歳の子を「赤ちゃん」と呼んだ友達に対して、ある4歳の子による「赤ちゃんじゃないよ、みんな名前があるんだよ」という言葉に心を動かされたといいます。
 
1歳を過ぎると歩いたり、意思疎通ができる子も多いものの、園内では小さい学年のため、赤ちゃんと呼ばれてしまいがち。「赤ちゃん、っていつまでのことを指すのだろう」と保育者自身も以前から考えていたそうで、この言葉に出会い、ひとつの答えをもらった気がしたこと、その言葉を発した子どもの成長を感じて嬉しかったことを話しました。
 
また職員間では「ドキュメンテーション対話」と言って、月に1度、何人かずつ集まりお互いのドキュメンテーションを紹介したり、それを元に対話をする機会を毎月設けているという説明も。

こども・職員・保護者、地域の人々も憩える場

次は「まちの保育園 小竹向原」園長による園内見学ツアーを行いました。現地参加の方々とは共に園内を巡り、オンライン参加者もカメラでその様子を見ていただきました。

まちの保育園 小竹向原 / エントランス

レンガや木など、あたたかみを感じる園舎。それぞれの保育室をまわりながら、各部屋を説明してゆきます。小竹向原園では、遊びを既定する既製品の遊具などはあまりなく、さまざまな自然物や素材を中心に環境が構成されています。

各園にあるアトリエスペース。小竹向原園では5〜6人の少人数活動で使うことが多いといいます。粘土をしたり、絵の具を使ったり、夏は大きな窓全体を使って絵を描いたり色水の探究をしたりすることも。幅広い表現に対応できる環境設定にしています。

筆と身体を思いきりつかって描く
まちの保育園 代々木上原 / オープンアトリエ

さらに、小竹向原園ならではのスペースが「まちの間(ま)」。0・1歳児たちが体を動かすスペースとして使っているほか、子育て支援の企画をひらいたり、地域の方々を招いてイベントを開催したり、過去には保護者の企画による“夜に保護者同士でごはんを食べる会”などへ貸し出しを行なったこともありました。

また、園長が「好きな場所」として紹介した職員の休憩室。畳のエリアに座ってくつろぎながら食事をしたり、お菓子ボックスを囲んで話をしたりする空間です。壁に掲示してあるのは職員の「学びの日」の計画書。「職員のワクワクも大事にしたい」という考えから、職員一人ひとりが自分自身で計画を立て、保育から離れて興味のある場所へ行ってみる、という時間を作っています。

Q&Aコーナー

会の最後には、事前に寄せられた質問に職員が答える時間を設けました。ここでも一部ご紹介してゆきます。

Q.「本部付きフリー保育士」というのはどんな仕事で、どんなやりがいがありますか?
A . さまざまな園やクラスのフォローに入るほか、イベントや研修のサポートや事務作業など、保育以外にもこどもを取り巻くさまざまなことに携わっています。フリーの立場だとたくさんの先生と話す機会があるので、いろいろな保育観に触れることができ、こどもと向き合うことがより新鮮に感じられます。
(回答:本部付きフリー保育士)

Q.  行事はありますか? どんな内容ですか?
A . 年間で決めている行事はありますが、行事のための保育ではなく、こどもの活動をより深めるために、行事を活用するようなイメージです。
あくまで、こどもたちの興味や関心が真ん中にあるので、そこにいちばん時間を使いたい、そうした日常の中に行事があるという考え方をもっています。たとえば卒園式一つとっても、今のこどもたちにはどういう卒園式がいいか、こどもたちの興味がどこにあるかを考えながら組み立てていくので、毎年一緒ではありません。大変といえば大変ですが、とことん話し合って迎えた卒園式で、こどもたちが輝いているのを見ると喜びを感じます。

(回答:まちの保育園 小竹向原 園長)

Q. アトリエリスタ、ペダゴジカルパートナー、コミュニティコーディネーターは園に常駐しているのでしょうか?
A. コミュニティコーディネーター(以下CC)は園に常駐してさまざまな仕事をしています。アトリエリスタ、ペダゴジカルパートナーは各園を回りながら保育実践に伴走したり、アドバイスやサポートをしています。
CCは事務作業もしますし、保育の現場で必要なものを地域から見つけてくることも。たとえば七夕の笹が必要となったとき、近所の笹が生えているお宅に譲ってくださいとお願いしたり、子どもたちが「自分たちの博物館を作りたい」という活動をしている場合、近くの美術館を見学させてもらう機会や学芸員さんと対話させてもらう機会をつくったり。
この仕事は子ども、保育者、保護者、地域の人など、とにかくたくさんの人と接点を持てます。何より「誰かのために働ける」ということが一番楽しいし、醍醐味だと思っています。

(回答:まちの保育園 小竹向原 コミュニティコーディネーター)

Q. この会社に入ると何を学べますか?
A. 一人ひとり違う価値観を認め合うこと、皆それぞれが違うということをお互いに分かったうえで一緒に働くことです。その分、行事もなかなか決まらなかったり、決まりきらないままスタートを切ることもあるけれど、それでも皆の気持ちや考えを尊重し、その都度どうしようと模索する。そうした私たちの考え方や行動が、こどもにも伝わっているんじゃないかな、ということを日々保育しながら実感しています。
(回答:まちの保育園 小竹向原 1歳児クラス担任)

おわりに

まちの保育園・こども園の理念である、
「一人ひとりの存在そのものを喜び
 互いに育みあうコミュニティを創造する」

こどもも大人も、それを体現できる場として、そこで働く一人ひとりの工夫によって、日々の保育がつくられていくように思います。
もしご興味を持っていただけたら、
園のホームページや、採用ページもご覧いただけると嬉しいです!

年内最後、12月の採用説明会のおしらせ

まちの保育園・こども園/まちの研究所では、保育者だけでなく、さまざまな形で子どもや地域に関わってくださる仲間を募集しています。オープンポジション採用も行なっておりますので、お気軽にお問い合わせください!
12月の採用説明会(まちの保育園・まちの研究所合同)の日程は以下です。

●2024年12月19日(木)
 よる19時〜20時(オンライン開催)
 
お申込締切:12月16日(月)

●2024年12月28日(土)
 あさ8時〜9時(オンライン開催)
 
お申込締切:12月24日(火)

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詳細ページはこちら

・各回、オンラインで開催します。
・理念、実践紹介、応募方法、キャリア形成等についてお話します。
・園舎紹介は行いません。園舎の見学は、採用プロセスの中でご案内します。

みなさまとの出会いをを楽しみにしております!

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