『第七官界彷徨』尾崎翠
落ち着いてから、もう一度読んだ。
今ならもっと何かがはっきり見える気がして。
それは、もっとこうしておけばよかった、とか、舞台はだいぶ原作と離れてしまったな…という実感とか。
でも、再読してみたところで、自分たちの舞台が原作を決して裏切らなかったことに確信を覚えただけだった。
強いて言うなら…老僕の台詞は、別のところからとった方がよかったかな?? と一瞬頭をよぎったくらいだけど、私たちの舞台で最終的にできたシーンは、めちゃくちゃ面白く愛着があるので、これでよかったんだ。そちらを採用していたとしても、もしかしたら回り回って、今の形になったのかもしれないとさえ思える。
でも私たち、ほんとにこの物語の中にいたんだ。今となっては、夢物語のよう…舞台って不思議だね。
これでようやく、一年ぶりに本棚に戻すことができる。
…とはいえ、公演が終わったら作ると言っていたZINEにも手をつけなくてはいけないのだった。
全体のイメージがまったくできないまま(言い出しておいて何だが、デザインはもともと荷が重い)、書き出そうとしている。
資料? の山を前に、パソコンを開くことから始める。