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嶋田青磁
2018年12月25日 19:47
石灰岩と曇り空の曖昧な境界は水彩筆によって暈されて滲む 鈍色の水辺に揺れる葦のさきが冷たく柔い風を受け小刻みに震えた 静かに流れる水がただよう躰の白い肌を溶かすようにやさしく包みこむ 水面を透かし見る空は遠く 広くのばした腕を雫が伝い落ちた 薄曇りが映る川は櫃を海へと運ぶがゆるやかな流れは午睡のように物憂く 聖櫃に納められた乳白色の蕾は 今か今