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嶋田青磁
2019年1月28日 00:20
冬の夕べよどうかあの女(ひと)の焦がすように熱く猛る血の流れるからだを薄暮のやさしい闇で包んでおくれ 夜明けの澄んだ地平線をともに見つめそのみずみずしい指先に触れられるように 冬の夜よどうかかの女(ひと)の紅いルビーの唇ヴィオロンの音を奏でまっすぐに射る言葉を露台を吹きわたる風で受けとめておくれ 楽園に生るという甘く熟れた柘榴に震えず口づけられるように
2019年1月25日 18:40
詩人は駆ける天蓋の閨にねむる貴方の烟る横顔薔薇色の頬のため 綴られた韻律揺れ惑う抒情斬り閃く散文円やかな調べ 蒼ざめた唇に匙でそっと親鳥のように言葉をはこべば たちまち春が咲きこぼれ冬が雪解けて頬に紅みさす 夢見るような瞳と慈しみのまなざしは焚べられた詩の其々が灯す炎 金星の差延べる手をとり詩人は旅する腕一杯の詩篇と倶に銀色の砂浜を駆け貴