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嶋田青磁
2018年12月25日 19:47
石灰岩と曇り空の曖昧な境界は水彩筆によって暈されて滲む 鈍色の水辺に揺れる葦のさきが冷たく柔い風を受け小刻みに震えた 静かに流れる水がただよう躰の白い肌を溶かすようにやさしく包みこむ 水面を透かし見る空は遠く 広くのばした腕を雫が伝い落ちた 薄曇りが映る川は櫃を海へと運ぶがゆるやかな流れは午睡のように物憂く 聖櫃に納められた乳白色の蕾は 今か今
2018年12月5日 21:33
時は満ちた 遠く鐘の音が告げるのは出奔 絡む蔦を剥ぎ門を開け傷ついた手は光芒をつかむ 金色の血が奔流となり褐色の瞳を希望に燃やす 鳴り響く鼓動溢れだす生命の躍動長い行路の始まりにおまえはいる おまえには翼がある明くる大空へ地を蹴って飛ぶ翼が 冒険と愛が青空の遥か高み雲の向こうに待つだろう 透明な追い風が必ずやおまえを助ける 新しい未来の