“梅雨”ってどんな色?
こんにちは。macasellです。今回はもうすぐ梅雨の季節ということで「梅雨らしい色」のお話しです。
そもそも梅雨とは東アジアの広範囲でみられる特有の気象現象のことを指します。日本では梅雨の時期が始まることを「梅雨入り」「入梅」といい、春が終わり夏の始まりである初夏が訪れたことの目安とされています。
その梅雨も古くから文化として歌や俳句、植物と様々なものに使われてきました。今回はそんな「梅雨らしい色」をいくつかご紹介します。
紫陽花青(あじさいあお)
ほんのりとくすみがかった明るい青紫色のこと。
紫陽花は土の酸度によって花の色が変わりますが、酸性が強いと青色の花を咲かせる。その青色からとった色。
紫陽花は古くは万葉集にも書かれた日本原産で日本を代表する花の1つ。雨続きの日々に晴れやかな印象を与える。
濡葉色(ぬれはいろ)
雨に濡れた葉のような水々しい緑色のこと。
葉は雨に濡れることで深く鮮やかな色合いに変化。その生命力に満ち溢れた色は、江戸時代から染め色として用いられてきた。
若紫色(わかむらさきいろ)
明るい紅みの紫色のこと。
「若紫」は平安時代の和歌や源氏物語などにも登場する名前で、この時代は色名ではなかったと言われている。
紫染めの染料技術が上がった江戸時代から普及し、名前の美しさからそのまま色名に。
苔色(こけいろ)
苔のような深く渋い黄緑色のこと。
平安時代からある由緒ある色名。江戸時代には夏の着物の流行色にも。現代では「モスグリーン(moss green)」と呼ばれる。
深みのある渋い緑色は趣のある落ち着いた存在感から侘び寂びのある日本の景観色の1つ。最近では家電等にも近い色味があります。
葵色(あおいいろ)
葵の花のような灰色がかった明るい紫色のこと。
平安時代からの古い伝統色。葵の花は白、紅、黄色等様々な色を咲かせますが、当時から高貴な色として人気のあった「紫」が選ばれ「葵」が色名に。
色名となった葵は初夏に大輪を咲かせる「立葵(たちあおい)」のこと。ちょうど梅雨の頃から咲く為、「梅雨葵(つゆあおい)」とも呼ばれる。葵は徳川家の家紋にも使われています。
天色(あまいろ・てんしょく・そらいろ)
雨上がりの晴天の澄んだ空のような鮮やかな青色のこと。
別名:真空色(まそらいろ)
色名としてだけでなく、天候や空模様を表す言葉としても使われる。天色は特に天の高い位置の空の色を指していたと言われている。
今回ご紹介した「梅雨らしい色」はほんの一部です。
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