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庶民も牧志公設市場を楽しむー優良店をご紹介
築地も同じ状況だと聞いたことがあるが、最近の牧志公設市場は中国人ファーストだ。
金払いもいいし、大人数で来るので大物が売れる。
ウニやカニ、高級魚を豪快に買う。
店としては手放したくない客だ。
店子が変わったのか、商売方法が変わったのか事情はわからないが、牧志公設市場の接客が苦手になった。
売り方がギラついている。
会話を楽しもうとすると、後からやって来た中国人の元へ消えてしまう。
魚の名前や食べ方よりも「買うか買わないか」。
物珍しい海産物を知り、味わう気持ちが失せていく。
庶民を救う、くに鮮魚店
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幅広く店舗を構え、中国人ファーストで接客する片隅にくに鮮魚店はある。
他よりも狭い店舗。だが、魚種は豊富。
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何よりもお店のお姉さんがいい。
魚のことを丁寧に教えてくれる。
「これはね、うちの長男が大好きなのよ」というハートフルなエピソードもうれしい。
珍しい魚が入った時は熱がこもる。
「他の魚は別の日にもあるけど、これは今日しかないよ!」。
この時ばかりは商売人だ。
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くに鮮魚店の商売は信頼できる。
予算オーバーの時も、ここまで力説するならと買ってしまう。
今はもう、くに鮮魚店でしか魚を買わない。
通ううちに、声のかけ方も変わってきた。
「今日はガザミ食べてみたいんだけど」
「マース煮作ってみたいんだけど」
「調理する時間ないから、オススメの刺身で手頃なのありますか?」
自然と会話が生まれ、楽しくなる。
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沖縄那覇、観光地のど真ん中。
苦労はせずとも人は来る、話しはせずとも物は売れる。こんな商売に未来はあるのか?
一見さんが基本になりつつある牧志公設市場で、顧客を増やし続けているのはくに鮮魚店くらいではないか。
庶民が安心して買物できる優しい鮮魚店だ。
昔ながらの接客がうれしい。
段差がなくなり、広くてきれいなトイレもできた牧志公設市場。便利になった。
それなのに、年寄りが手押し車で買いに来る雰囲気はなくなってしまった。
くに鮮魚店が牧志公設市場にある限り、私は通う。
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