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掘り出しものはどこだ!マカピーの日々 #1086
マカピーです。
お宝を探すって面白いですよね。
ウズベキスタン共和国に滞在したころドイツ大使館が主催でBazartという地元芸術家の作品展示即売会をやっていました。
素晴らしい才能を持った芸術家の作品であっても、それを取り扱うギャラリー(画廊)などが少ないので大使館が会場を借りて毎年開催していたのでした。
その頃、ウズベキスタン共和国は体制移行国として、他の周辺国と共に『市場経済』へ移行している最中でした。
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外国との交流も少なく、国が提供するサービスから民間にとって代わるのですが、どうもちぐはぐが目立ちました。
それまで「計画経済」の名の下にソ連式行政がすべてを取り仕切っていたのですから民営化するにも時間がかかりました。
マカピーが滞在しているころに、電気ガス水道なども受益者負担となりメーターが取り付けられていた頃だったのです。
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こうした公共料金はかつて、無料で提供されていたのですから住民が市場経済に移行する過程では物凄いショックだったと思いますよ!
「なんで今までタダだったものに支払わなきゃいけないんだ!」
選挙だって、一般の人は『一人一票の原則』も理解できなかったのですから!
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さて、芸術の話に戻ります。
日本の自宅にはその時の気に入った作品があり、当時の事を思い出すのですが、国立ギャラリーにその作品が展示されている作家の作品もお値打ち価格で購入できるのでした。
その事を知った韓流スターが気に入った作家の作品を数百万円分買って帰国したなんて言う話も聞きいたのは、海外ではその10倍以上の価格で売れるからだと言われたものです。
え、マカピーの家のコレクションは売りませんけど(笑)
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それから、そうした時期には骨董品市場がとても魅力的なのだとコレクターのアキエさんが言ってました。
タシケントのお宅を伺うと、近隣諸国の「ノミの市」をめぐって蒐集した食器類が沢山あったのです。
単品でも買い求めていましたが、アキエさんの狙いは食器セットで100点くらいある「完全」なセットを幾つも所有していました。
もちろんどのブランドが高価に取引されるという情報も網羅しています。
一度お茶を誘われたマカピー妻がアキエさんに「紅茶のカップを棚から適当に選んでちょうだいね」といわれきれいな柄のものを選んだら「いいセンスしているわね!それは○○よ」と素人でも知っているブランド名を告げられました。
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で、「このソーサーとのセットでいくらぐらいするの?」とマカピー妻が尋ねると、アキエさんは何気なさそうに「そうね、日本円で5万円くらいかしら・・・」
マカピー妻は持っていたカップを丁寧に棚に戻すと、キッチンにあるごく普通のカップを指して「傷つけるといけないので、あっちのにして下さい!」と叫んでいたそうです。
するとアキエさんは「値段を言ったら、あちらも同じようなものよ!気にしないでね」
結局マカピー妻は落ち着かない気持ちで「お茶」を頂いたそうで、同時にアキエさんの趣味の延長で集めた食器が、かなりの資産であることを見て取ったのでした!
そんな話を聞くと、ノミの市を覗く目つきが変わるものですがアキエさんは冷静に「ソ連崩壊以降、経済的に困った家が処分するタイミングは数年前だったから、今では殆ど見かけないわね」と分析していました。
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そう、掘り出し物に出会えるのも「タイミング」なんですよ!
しかも西側の外国人が入ってこないような国がチャンスだったのかも知れません。
アキエさんが日本に帰国する際には相当量の食器を持ち帰ったのでしたが、そのおこぼれが我が家にも回ってきました。
家では使いきれないので友達やお手伝いさんにも持ち帰ってもらいました。
いまでも、残った深いスープ皿を見るとウズベキスタンでの日々を思い出すのでした。
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マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。目利きが出来なきゃ「猫に小判」ですね!
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