アクセルを踏み込む? ”Up to Speed"
直訳とは別の意味を持つフレーズを英語で「Idiom」という。外国人はこのIdiomを日常会話で多用するので大切だ。Idiomが理解できていないと肝心なメッセージが分からないままスルーしてしまう。
言葉に隠された本当の意味を理解し始めるとネイティブとのコミュニケーションも奥が深くなる。難しいけど諦めずに頑張って一つでもIdiomを会話の中で使ってみてほしい。
日本を舞台に "Its Suntory time" で有名になったビル・マーレイ主演の「Lost in Translation」という映画を思い出す。隠された意味が理解できず孤立していく二人が東京の街で出会うという深い話だ。
今日紹介したいIdiomは ”Up to Speed"。中学校で習う英単語の組み合わせなので「うん、うん」とうなずいている人も多いだろう。
「車のアクセルを踏んでスピードを上げる」って思っている人は残念ながら”ブッブー”だ。直訳はそうかもしれないけどIdiomとしての意味は少し違う。車のスピードの事じゃなくてあなたの脳の回転するスピードのことだ。
もっと詳しく解説すると自分の理解度のこと。時間がかかったけど今はあなたが言わんとしていることを理解できた。このことを”Up to speed”と表現する。
ここで例を一つ、
会議に一人遅れて入ってきたボス。会議のモメンタム(流れ)が止まってしまうのでホントこういう人って迷惑だよね。
偉い人だから最初の肝心な部分をちゃんと理解していただかないと後で困る。このまま前に進む訳に行かないのでミスった部分を要約して説明する。この行為を ”I'm going to quickly get you up to speed” と言う。
ボス(遅れてきた人)からあなたに要約をお願いする場合は ”Can you get me up to speed?” 。
説明が終わり「理解していただけましたか?」と確認する場合は "Are you up to speed now?" だ。テンポよくこの辺のキャッチボールが出来れば会議も成功に近づく。
別の投稿で詳しく解説したい言葉だがどんな会議でもアッパーハンド(上の手)がとても重要だ。この ”Are you up to speed”という問いかけは意外と強烈な詰めの一手なので是非会議で使ってみてほしい。
偉い方は自分のイメージを大切にする。だから ”Are you up to speed?” と聞かれたらほとんどの場合 "Yes, I am" と答えてくれる。じゃないと「偉いのに頭の回転が遅い人」と思われる可能性がある。偉い人も必死だ。
状況とマインドセットを読み取りながら会議を優位に進めてみよう!
by マック・タナカ
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