寅次郎忘れな草

今日は『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』を鑑賞しながら
冒頭から実況(or ツッコミ)をば
(※ネタバレします)

冒頭の夢シーン
そういえば 夢のシーンでの さくら・博の父親役 もしくは悪役って
だいたい おいちゃん役の俳優じゃなくて この人だよな
吉田 義夫さんっていうんだね 役にあった良い顔をしている

オープニング
そういえば ふと思ったけど 主題歌って歌い直してるのかな
ずっと同じ録音ってことはないと思うけど・・・
いつ変更されたとか 頻度とか調べたらおもしろそう
(また今度しようかな)

第一幕
前回同様 ツバメに例えられる寅次郎
そういえば 柴又駅周辺って
いまでものツバメの巣が多い

いつも通り ふらっと帰ってくる寅次郎
寅とさくらの父親の法事(27回忌)が行われている
もちろん 父親の命日なんて覚えてない寅次郎
おいちゃんの葬式だと早とちり
おいちゃんが死んだと思ってるわりに リアクションが軽い笑

(ちなみに 寅次郎はシリーズ内で よく 死んでない人の葬式を手配したり 葬儀をテキパキとしきったり 坊さんのフリをしたり 旅で出会った赤の他人の母親の葬式を計画したり とにかく葬儀が大好きである笑)

この法事で 寅がガキみたいに騒いだことが原因で
第一の騒動に発展する
・・・が
このシーン 寅だけじゃなくて みんなもしっかりふざけてる 
これ みんな同罪だろ笑
なのに その夜 皆に責められる寅次郎 
そしてさくらのあきれ様も 結構なハイレベル なぜ?笑
これは さすがに 寅次郎に同情する

そして 珍しくすぐには出ていかないパターン
からの第二の騒動 おもちゃのピアノ事件
満男に習わせたいからピアノが欲しいと 漏らすさくらに
おもちゃのピアノをプレゼントする寅次郎(本人はいたって真面目)

寅に忖度しまくる車家一同
博『思いもかけず 立派なピアノをいただきましてありがとうございます』
おいちゃん『高かっただろうこらあ』『寅の散財に比べれば知れてるよ』
それをすっかり信じ 自分の功績に対し 夕飯に刺身を要求する寅次郎
それに応え 魚屋に電話注文するおばちゃん 『タコしかない?』 
演出が細かい笑

そして 欲しかったのは本物のピアノだと判明 キレる寅次郎
そりゃそうだ さっきの忖度台詞 全てが嫌味に聞こえるでしょ
この時の寅次郎の言い分は正しい
なんで おもちゃのピアノ買ってきてくれた時にハッキリ言ってくれなかったのか ごもっとも みんな忖度しすぎ
でも みんな優しいけど不器用なんだよな
その不完全な部分が この理屈では語れない 温かみを生み出すんだな

その後 再び旅に出る寅次郎 今回は北海道
レコード店の店先でレコードのバイをする寅次郎 良い度胸笑

ここで 今後のシリーズでも重要な役を果たす リリーが初登場
ちなみに このシリーズ後 少しマドンナの再登場率が上がる
歌子(吉永小百合)も再登場し リリーもすぐにまた出てくる

リリーの またどっかで会おうという別れの台詞が感慨深い
ああ もうすでに また『お帰り寅さん』(50作)が見たくなった

北海道の農場で酪農の手伝いをする寅次郎
寅さんってよく 体だけは丈夫と言われるけど とんでもない
結構なヘタレだと思う すぐに体調崩すし 
肉体的に何か努力しているようなとこは見たことがない
無理すれば すぐに体壊すし 恋煩いで すぐメンタルイカれるし

つーことで 当然体調を崩し さくらが北海道まで迎えにいくパターン
(柴又から北海道まで・・・本当に迷惑だよね笑)
親切な酪農家の方からもらった手紙を読み
『なんだかよくわからないけれど この人が迷惑していることは事実らしい』と呟く博笑 こういう台詞大好き
そしてさらに『しょうがないじゃないか 行ってやるより』と呟く博
(なんだか よく分からんが 兄さんも困ってるようだし 迎えにいってあげるしかないね)
この精神 まさに寅さんismを体現している
個人的にだが 寅さんって 特に初期は 寅さんの周りの人たちの
寅さんに向けた優しさが 重要な要素だと思う
もちろん さくらの優しさは分かりやすい 
でも 最近は 博の静かだけど確固たる熱 
これも寅さんismに 大きく貢献していると思うようになってきた

そして 北海道へ出向く さくら
いつも思うけど こういう よそいきのさくらって 
普通におしゃれで可愛い 
そう思うと 倍賞千恵子って 良い女優だ
こんなにキレイな人なのに ちゃんと下町の良い娘になれてるもんな

そんで 迎えに行った頃には すっかり元気な寅次郎笑
雇い主の前で 平気で文句たらたら言う寅次郎 普通に失礼笑
『酷い目にあっちゃったよ』じゃねえし笑

その後 柴又へ帰還した寅次郎
あれだけ文句タラタラ労働生活から脱落したくせに
何かと言うと『北海道の開拓部落の人々は 北海道の開拓部落の人々は』と
車家一同の生活を相対的に批判する寅次郎笑
とにかく寅次郎は 影響を受けやすい
ちなみに この流れで『全てがつらい!』と叫ぶ寅次郎
この言い方が最高笑

そして リリーが 初めて とらやを訪ねて来るシーン
およよ・・・すでに手と手は恋人つなぎ!!
寅さ〜ん どうしてこんなところに〜 って まるで偶然出会ったみたいに言うリリー
いやいや 帝釈天の参道にふらっとはたどり着かないでしょう 
可愛いなリリー

(よく考えると リーリーとの交流って めちゃくちゃ短期間なのに
ここまでの仲になってるのってすごい やはり何か特別なつながりを感じるマドンナなんだろうな 流浪人ってとこが大きいのかな 確かに他にいないタイプだもんな)

この時のおいちゃんの 『驚かねえ』の言い方 本当最高
その後の 寅の家族の紹介の仕方 最低笑
口フガフガさせてるもうろく爺イがおいちゃん
浴衣着て腫れぼったくなってるのがおばちゃん
前っつらで口パカって開けてるのが妹
サルカニ合戦の臼みたいなアゴしてるのがその亭主
その向こうは見たとおりタコ
これは 山田監督に悪意を感じる笑

寅が『わらべはみたり』と歌う時のさくらの表情 最高
ばかだな〜と思ってる皆
さくらも そう思ってるんだろうけど
やはり 愛(哀れみ?笑)の量が違う感じがする

ある日の寅次郎
サイズが小さすぎて 頭にのせられただけの 黄色いジャイアンツ帽
とても 上流階級だとは思えない笑
(前のシーンで そういうくだりがある)
リリー『かわいい寅さん』 禿同
全シリーズ中 つなぎの寅さんと並ぶくらい 可愛い

ちなみに この店番中 客に対して
『留守留守 だんご買うんなら隣にも売ってるよ』と言い放つ寅次郎笑
ことごとく 店番できない男

その後の 工場の若い青年と少女絡みで またひと騒動起こす寅次郎
(今回 細かい騒動多めだな しかも結構シリーズ内でも印象深いのが集まってる)

ここでデリカシーというカタカナが分からず
『デリカシカケタ?』と頭ハテナの寅次郎
博『つまり無神経だということですよ』『もうちょっと気を使ってもらいたいな』 人の愛情問題には一際熱い博が 言い放つ
このシーンの陽動感のあるカメラワーク 良い
そして 河川敷で執り行われる 博の恋愛会議
いいねえ 第一作を思い出す 寅さんを兄貴と呼ぶ博
恋愛成就で 皆テンション上がって ゆるいとっくみあいが始まる
良い時代だ

その後の夕飯のシーン
タコを棒でつつく寅次郎笑
心底バカにした言い方で博のモノマネをする寅次郎
ここで 寅の恋愛遍歴の話へ
『さくら しゃべったらただでおきませんよ』妹に敬語になる寅次郎
この時点(11作目)での 歴代マドンナを何人か振り返る
ぼくも すでに懐かしい気持ちになる(いやいや これから増えつづけるんだけど ※だからこそ 50作目のラストシーンはやばい)
さくら『どうしてるかしらね』
これは それぞれのマドンナに向けられた言葉
(たしかに コーヒー屋のマドンナとか どうなったんだろう)

タコ社長の過去の恋愛話で出てくる
乾物屋の煮干し婆ア あだ名かわいそすぎるだろ

リリーに 初恋の人は寅さん と言われて
ガチで照れる寅次郎 リリーしゃんと呼んじゃう笑

その夜 とらやに泊まるリリー
2階で部屋を挟んで会話するリリーと寅次郎
『寅さん』『あいよ』 
これを聞く 1階の車家一同 このショット ええわア

その後 お世話になった北海道の酪農家から届いた手紙に返信する寅次郎
寅『さくら 愚かなる妹ってっ書くだろ あれの愚か どう書くんだっけ』
さくら『どうして愚かなる妹なんて書くのよ』
このやり取り笑
結局 さくらが代筆
それを自分が書いたと 源公をだます寅次郎
源『兄貴 字も上手でんな』 笑
そして 結局出されずに 川に流される手紙笑

リリーが酔っ払って 真夜中にとらやにやってくる
ここの 仕切り越しのアングル 好き
浅丘ルリ子 酔っ払いの演技上手いな〜
ぼくは個人的に リリーがベストマドンナだとは思わないが
それでも やっぱり リリーは唯一無二だし
寅さんと この先これだけ関係が続くのにも 納得せざるを得ない
それにしても この出来事をきっかけに 毒蝮と結婚かあ
(でも これは一時の 偽りの恋への逃げでしかない)

その後 リリーの家を訪ねる寅 なぜ家を知っている?
知られざるリリーの生活を垣間見るこのシーン
隣には 家族連れが住んでいる なるほど

その後旅に出る寅次郎
こういう上野駅の食堂のシーンええわ
これってセットだと思うけど
当時 こういう食堂あったのかなあ
ここで 中央改札の壁画がでてくるおかげで
ぼくは 上野駅に行くたびに 懐かしい気持ちになれる

さくら『どっかでリリーさんに会えるといいね』
寅『さくら もし 俺のいねえ時にリリーが来たら 下宿させてやってくれよ 金なんかとるなよ』
結局どちらも叶わないんだけど
この二人の話は これからも 長く続いていくからね
それを見越した訳ではないと思うけど
この先のシリーズを考えると この後リリーが唐突に結婚する展開とか
あの夜を最後に 突然会えなくなる展開も 良い伏線だよね

家から飛び出ていく寅次郎を見送る
柴又駅から寅次郎を見送る
上野駅から寅次郎を見送る
いろんなパターンがあるけど
なんか 上野駅から見送るのって すごい切なく感じる

とりあえず ラーメンはうまそ笑
ここで寅次郎にお金を渡すさくら
思ったけど このお金って さくらの内職からだろうか
それとも 博の稼ぎ? だとすれば
寅って いつもタコ社長から 施しを受けてることになるね笑
ここで 満男をチビと呼ぶ寅次郎 これも何気に珍しい気がする

リリーとその旦那が経営する寿司屋を訪ねるさくら
(浅丘ルリ子と毒蝮三太夫が まだ健在なのはうれしい)
このシーンで毒蝮が言う『またそれ言う!』の言い方 良い
(というか 毒蝮の演技が上手い)
この寿司屋の名前『清寿司』 これってリリーの本名清子から?

リリー『アタシ本当はね この人より寅さんが好きだったの』
さくらは どうせ冗談だろうけどさ と言うが いいえ違います笑
この先を知っているぼくは この先の予感を感じれるんだけど
リアルタイムで見た人は どう感じたんだろう
この どうも納得できない結婚の展開 いつもより消化不良な感じ

そして最後にまた 北海道の酪農家を訪れる寅次郎
役立たずリターンズ笑 迷惑でしかない
とは言え 長い年月をかけて 寅次郎は
こうやって 日本中に縁を広めていくんだな

今日はここまで

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