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埼京線に乗って

埼京線に乗って

旋回する街並みが僕を追いつめていく
けたたましい目覚ましで起きる
不細工な猫を抱きかかえる
「今年の夏も暑いね」
誰に言うわけでもなく呟く
ふらふら海に来ては歌う
くらくら眩暈がして休む

埼京線に乗って
最小限に踊って
揺れる、暮れる、揺れる、暮れる
浮かんでく感情

埼京線に乗って
太陽年に沿って
揺れる、暮れる、揺れる、暮れる
消化してく日々

旋回する街並みが僕を追いつめていく
ネクタイの

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うみのそこまで

うみのそこまで

全部海のせいにして 溺れていく

海岸沿いに君が立っているよ
何も考えないで ただひたすらに揺れる
長い夢を見ていたの
だからあたし ここにいたいと思った

全部海のせいにして 沈んでいく
全部夢のせいにして 沈んでいく

どうか一度だけでも
海の底まで歩いていけたらなって言って
間違いだって犯すの
長い夢を見ているの?
ならば僕ら、ずっとこのままで

これで最後で 始まりも終わりで
右手に持った

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スピード

スピード

走る背中追いかける 冷たい風を切るよ
誰も追いつけなくなった場所で待っているよ
路頭に迷う君の握りしめた手のひらの上で回る時計と見つめあって踊る星のように光って浮かぶのさ

僕は知らない人にだって手を振る
知られた顔を上げておぼつかない気持ちさ
ゆっくり坂を下ってゆくよ
そして包む僕らその日を
暮れとよがり景色がただ過ぎるまで
音もなく立ち尽くしたら

とても素敵な夢の中
誰も手を取れなくなって懐

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瓦解

瓦解

瓦解する
僕の指先の綻びから
地面をつたって
たくさんの人が
瓦解する
度し難い 瓦解

がれきの山にきれいな赤い花が咲いた
まあ誰も摘めないんだけどね

ダンス

遊びのような 暮らしの中に
揺れている 二つの影

僕ら 言葉を持ち寄って
積み上げて舞台を作って
ここでダンスを踊って
息を飲む 身体を忘れた二人の間に
そっと言葉を残して
暗くなった照明の向こうに
浮かぶリズムを
ふりほどいたり 口ずさんだら
ここでダンスを踊ってみる

暮らしが怖くなったら
強いお守りをあげよう
一目見てわかる色を選んで
飾って眺めていよう

明くる日もまた つまらない話を

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「しんだきみといつまでもいきようとおもった」

「しんだきみといつまでもいきようとおもった」

僕の中で死んだ君は本当はどこかで生きている
誰かの中で死んだ僕は今もここにいるよ

僕が本当に死んでしまっても誰かの中では生きているよ

漠然と消えたいと思ったことは何度もあるけど
忘れられたくないと思いながら生きている

「憧れのトレイシーみたいになれますように」
わかってるよ そういう話じゃないってことは

rille

rille

僕の空っぽの頭で 君のこと考えてみたけど
ねえ どうして?
僕らは息を止めれば天国だって行けるのに
それでいいけど 気にしないけど

いつまでも一緒にいよう
迷子にならないように
ずっと手を繋いでいよう
離れ離れにならないように

眠っても眠っても眠いんだ
だめだもうここじゃ生きれないよ
そういえばさっきから分からないことばっかだよ
どうしよう 今日が終わる

僕らは嬉しいから これでよかった

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2023.11.20

2023.11.20

早く家に帰りつくとかどうでも良くなって  

買ったアイスのことを忘れて  

爆音で切実な曲流して加速し続けたら  

もう後には戻れない

地と空の境界がとけあうまで

えいえん

えいえん

永遠より速く発散して
誰も追いつけなくなった場所で
永遠を永遠に待っているのだ