「マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜」について (5) 管理職の一線
管理職の立場を崩さないドンフンについて
ドンフンは、妻のことを、兄弟など家族に知られることを恐れていました。
13話は、兄と弟が、自分事のように怒り、傷つく様が描かれていて、とても泣けました。
兄と弟は、ジアンが、苦しんでいたドンフンの心の支えになっていたことを知りますが、ドンフンは感謝の気持ちをジアンに直接伝えることをしません。メールの返信さえもしない。
これすごい分かるなと思いました。
ドンフンは、会社の管理職で、この時点では、ジアンは部下という位置付け。
自分は妻帯者。会社の管理職。
相手は20代女性の部下で、自分を好きだと言っている。
この状況を考えると、「そばにいてくれてありがとう」などと決して言えませんね。
大したことじゃないじゃんと、言う人もいるかもしれませんが。
気にしない人なら、なんてことはないと思える一線ですが、ドンフンにとっては大事だったのでしょう。
会社人として、部長として、部門のマネジメントに責任を有する管理職が、部門の秩序を私心で乱すわけにはいかない。
チームの人間関係をマネジメントして、成果を出すのが管理職であり、特に部門を預かる部長にとっては大きな一線だと思います。
でも本当は、ありがとうと言いたい。
プロフェッショナルとしてのプライド、良心を心の支えに生きているドンフンの葛藤が描かれていて、このドラマのきめ細かい描写に感じ入りました。。
ジアン退社後のドンフンの変化
ドンフンがジアンに感謝の気持ちを伝えたのは、15話。
お掃除のおじさんのところに匿ってもらっているとき。
細かい話かもですが、この時点ではジアンは退社していますので、上司部下の関係ではない。
公的関係性でなく、私的な関係になったので、自分の本心が言える。
「ありがとう」
「幸せになるから見守ってくれ」と。
13話から15話までの流れの中に、ドンフンの律儀さと、葛藤がみえて、感じ入りました。。。