先生の私が絵本で伝えたかった「シンプルだけど、とても大切なこと」
私が幼稚園の先生をしていた時に、よく子ども達に読み聞かせをしていた一冊の絵本があります。
それが、レオ=レオ二作 / 谷川 俊太郎訳の『じぶんだけの いろ』という絵本です。
今回は、この絵本で実際に私が子ども達に伝えていた「シンプルだけど、すごく大切なこと」について、お話したいと思います✨
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大人の私も読んで感じた「安心感」
私がこの絵本と出会ったのは、私自身が「パンセクシュアル」だと自認していた時だったのですが
ずっと「私って何者なんだろう」「みんなと同じじゃない」といったモヤモヤに支配されていて、自分に自信をもつこともできませんでした。
いつも、他人と自分のことを比べて、他人を「羨ましく」思っていたんですね。
この絵本を読んでみて、この物語の主人公であるカメレオンが抱える悩みと、自分が抱えていた悩みが「まったく同じ」だと感じたんです。
そんな私がこの物語で一番心に刺さった場面があります。
物語の佳境、「じぶんのいろ」が持てないことに苦しむカメレオンの元に同じ悩みをもつ【としうえのかしこいカメレオン】がやってきて
「でも、ぼくら いっしょにいてみないか?
いく さきざきで やっぱり いろはかわるだろう、
だけど きみとぼくは いつもおんなじ。」
という言葉をかける場面があるのですが(この時の、としうえのかしこいカメレオンの色が変化するところも含めて)
その時に、この言葉は、自分を少しも認められない自分自身にかけられたのではないかと思いました。
そして、「私は周りと比べたら少し違うかもしれない。
でも、この【としうえのかしこいカメレオン】のように私は私のままでいていいと言ってくれる人もいるかもしれない。
まずは、自分が自分自身の、そして誰かのその一人になろう。」と感じることができたんです。
この学びを元にして、
「私が先生として、一人の大人として、目の前の子ども達にあなたはあなたでいいんだよ。そのままのあなたが素敵なんだと伝えよう」と思ったんですね☺
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先生の私が伝えたかった「シンプルだけど、すごく大切なこと」
ある日の降園前のこと、私が子ども達(4歳児クラス)の前で『じぶんだけの いろ』を読み終わってから、一人ひとりの「素敵なところ」を挙げて言葉にしてみました。
全員挙げ終わって、「みんなにもね、このカメレオンと同じように、一人ひとりに素敵なところがあるんだよ。先生は、そんなみんなが大好きだってこと覚えててね。」と話したら
(ニコッ)と微笑んでくれたり、「うん☺」「わたしもね、せんせいのこと、大好き!」と言葉で伝えてくれたり、子ども達からいろんな反応がありました。
この時の話を、大きくなっても覚えている子はとても少ないかもしれません💦
でも、何かの折にふと思い出したり、『じぶんだけの いろ』を見た時、手に取った時、読んだ時に思い出すことがあるかもしれない。
私がこの絵本を通じて、子ども達に伝えたかった「あなたは、あなたであっていい」ということ、「そんなあなたが一番素敵」だということを。
そんなことを先の未来でも思い出してくれたら、きっと、思い出す前よりも救われる心があるんじゃないか…そうだといいな。そんなことを思うんです。
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おわりに
「自分と他人を比べる」ことは、生きている中で必ず誰しもが経験することだと思います。私も何度もありました💦
つい「比べること」に気を取られてしまって、酷く落ち込み「元々持っている、自分だけの素敵なところ」というところに気付かないこともありますね。
この絵本が教えてくれた「あなたはあなたのままでいい」ということは、きっと、人が健やかに生きていく上で「シンプルだけど、とても大切なこと」になるのではと思います。
悩めるカメレオンの前にあらわれた、もう一匹のカメレオンのように、誰かの心にそっと「安心感」をプレゼントできる大人・先生でありたい。
これからも、そんなことを思いながら子ども達のことを見つめて支えていきたいです☺
ここまで読んでくださったみなさん、ありがとうございました!
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これからも、どうぞよろしくお願いいたします✨
明日、月曜日はおやすみとさせていただきます。
翌火曜日の更新をお楽しみに✨
にじいろmaa🌈