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「海のはじまり」の何がそんなに好きなのか考えてみた

2024年夏ドラマでいちばんのお気に入り「海のはじまり」。
見る前から、きっと好きだろうなと分かっていたし、見たら想像よりももっと好きだと思った。


本当は毎話感想を書きたいくらいだったけど、その体力は残念ながら無くて、話の内容についての感想というよりは「海のはじまり」という作品について、何でこんなに好きだと思うのか考えてみた。

とはいってもネタバレになるような内容にも触れているので、まだ見たことのない方は気を付けてくださいね。
※「いちばん好きな花」の内容についてもネタバレしています

何といっても脚本家・生方美久さんの作品というのが大きい。
生方さんが脚本を担当した「Silent」と「いちばん好きな花」が好きだった私は今回の「海のはじまり」も絶対に好みだろうと踏んでいた。
案の定、1話を見終わってやっぱりねと思い、このドラマをあと3か月近く楽しめるという事実が嬉しくて堪らなかった。

何かで読んだのだけど、生方さんは同じく脚本家の坂元裕二さんを尊敬しているらしく、確かに台詞とか似た雰囲気を感じることがある。

私も坂元裕二脚本の作品は好きなものが多く、好みだけど、登場人物と展開に癖を感じることがあって、合わない作品がたまにあったりする。その個性が面白くもあってハマるときは凄くハマるのだけど。
その点、生方さんの作品は(まだ3作目だけど)私にはちょうど良いと感じる。

少し脱線してしまうが、坂元裕二さんの作品で好きなものを選んでみようと思った。

  • 最高の離婚

  • 問題のあるレストラン

  • 花束みたいな恋をした(映画)

本当はもっとあるんだけど、頑張って3つに絞った。
笑ったり泣いたり、何度も見たいと思った記憶のある作品を選んだ。
Wikiで坂元さんを調べていたら、少し前の是行監督の映画「怪物」は坂元さんが脚本を担当しているというのを知った。見なきゃ。

脱線が過ぎるので「海のはじまり」に話を戻す。


どういうところに魅力を感じているのか


魅せる台詞
演者による力量が大きいとも思うけど、見入ってしまう。
台詞は、あぁ深いなと思って感動したり、言い回しがとても好みだと感じる。
言葉だけ見ると綺麗すぎて、良いことを言っている感じがあって、台詞っぽくもあって(そこが好きなんだけど)、だけどそれを演技で説得力を持たせ、感動する場面に持って行っているのかなと感じる。

私は、感想とかがすぐに出てくるタイプではないので、見終わってすぐは取り合えず、皆演技上手すぎる!!って毎回言っている。


登場人物の輪郭を想像させられる
展開や台詞で登場人物の感情の機微や輪郭を想像させてくれるところがとても好き。
「どうしてこういう行動を取ったんだろう」の答えを用意してくれている感じがある。

例えば、有村架純ちゃん演じる弥生ちゃんが夏とのご飯にお惣菜のコロッケを並べ「コロッケなんか作れないよ」と話すシーンがある。
その後、海ちゃんの存在を知り母役を担う決意をして、一人コロッケ作りの練習をする。後日コロッケを海ちゃんに振る舞い、海ちゃんが「お惣菜の味!」と嬉しそうに言うシーンがある。

海ちゃんが「お惣菜の味」と言ったことで、
弥生ちゃんは母親と上手くいっていないから、家庭の味を知らなくて(恋しくなくて)お惣菜の味を目指して作ったのかなとか考えさせられたりして。
見る側にたくさん伏線のようなものをちりばめて、回収させてくれる感じがとても心地良い。

生方さんの中で登場人物の解像度がとても高いのだろうと思った。
キャラクター作りにかなり細かい設定がありそう。
だから、見ている側も自然と登場人物について理解が深まり、今こんな気持ちなんだろうなと感情移入が自然にできる。

私は弥生ちゃんに感情移入しまくっているので、結構ずっと苦しい。
SNSで「有村架純を幸せにしたい」というのをよく見掛けたけど、同じように感情移入した人も多かったのかなと思った。

登場人物にしっかりフォーカスが当たっている感じがして、特に「いちばん好きな花」はそれが顕著であの4人じゃなければ物語にならなかった。

見終わった後、あの子達は今何してるだろうなんて想像させられたりして。終わった後も登場人物たちの生活が続いている様に感じさせてくれるドラマは名作だと感じる。


そうだったら良いなを叶えてくれる
「海の始まり」の中では、弥生ちゃんが中絶した後に未練や後悔を書き残した病院のノートを偶然水季が読んだことで、中絶を辞め産む決心をする。

本人は知らないことだけど、このことで、弥生ちゃんが一人苦しんだ時間が報われる感じがして堪らなかった。
そうやって生まれた海ちゃんの存在に弥生ちゃん自身も救われることになるので、なんという奇跡!!

そして、その展開をもしかして…と少し匂わせてからのやっぱりそうなんだ!と思わせてくれることが心地良い。
現実ではそんな偶然起こらないよって思う人もいたかもしれないけど、こんな綺麗な物語が見たいんだよな。

「いちばん好きな花」でも4人の大切なみどりちゃんが同じ人だったという展開があったけど、本当に歓喜でした。


主題歌の入り、最高だよね
back numberが元々好きなので贔屓目かもしれないけど、主題歌が流れ始めると本当に感動する。あと、もう終わるんだ…と少し寂しくもなるけど。

「いちばん好きな花」はオープニングも凝ってってかなり洒落てたな。
「Silent」は説明するまでもなくて、髭団のSubtitleがあれだけヒットしたことが物語っているけど、本当に名シーンを生み出す一因を担ったと感じる。

もう海のはじまり以外も語り出してしまい収集がつかなくなっている。
文章が長すぎるかもしれない。


フジテレビのドラマ一覧を見てたんだけど、トップ画も圧倒的にセンスが良くないですか?

関わるスタッフが世界観を理解して、最高の仕事をしているんだろうなと感心してしまう。

そんな風に大好きな「海の始まり」。見てしまうのがもったいなくて見れないという謎の境地に達している。

今週は、目黒くんの体調不良を受けて特別編みたいだったけど、話数が増えたことがとても嬉しい。

目黒君は働きすぎだと思うのでゆっくりしてほしいですね。


こまち

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