ADHDの「できるけどできない(できるけど疲れる)」問題を理解してもらうことの難しさ。
先週からずっとバタバタしていて、ブログもnoteも間が空いてしまいました。
先週は午前授業だった上に、習い事の演劇も再開したり、メンクリ受診と個人面談まであって、娘のことでかかりっきりな1週間でした💦
中でも一番の難関は個人面談でした。
うちの娘は発達障害(ADHD・ASD)なので、学年が変わるたびに、新しい担任の先生に特性を一から説明し直さないといけないんですよね。
※娘の発達障害の詳細については↓ブログ参照
最初の登校日にざっくりとしたお手紙は渡しておいたんですが、どうしても口頭じゃないとうまく伝えられないこともあるので、そこは面談で伝えようと思っていました。
■ADHDの「できるけどできない」問題
一番理解してもらうのが難しい特性というのが、ADHDの「できるけどできない」問題です。
「できるけどできない」って、もう、意味わかんないですよね?
安心してください。親の私でも理解するのに数年かかりましたから。笑
■ADHDは遂行機能障害
ADHDの大きな特性として、「遂行(実行)機能障害」というものがあります。
簡単に言うと、「物事を実行する」ことができないということです。
どういうことが実行できないのかというと、ずばり、「楽しくないこと」です。
ADHDにとって、「必要かどうか」「将来のためになるか」などといった概念は、1ミリもモチベーションになりません。
唯一のモチベーションは「楽しいこと」なのです。
つまり、「できるけどできない」というのは、「できる(能力はある)けど、(楽しくないから実行)できない」という意味なのです。
これ、普通の人は、「こんな簡単なことがなんでできないの?」って思ってしまって理解できないんですよね。
なので、「簡単だけど楽しくないからできないんです」って説明したところで、相手は「???」となって無限ループにハマるのがオチです。
じゃあ、どう説明すべきかというと、そんな抽象的な説明ではなくて、論理的に説明すべきなのです。
■ADHDは脳の機能障害
「やる気」って、本人の努力次第で出せるものだと思われてますが、違うんですよ。
脳の伝達物質(ドーパミン)が正常に伝わることで出せるんです。
ADHDはこのドーパミンが上手く伝わらないのでやる気が出ないわけです。
つまり、本人の努力でコントロールできるものではなく、生まれつきの脳の機能障害というわけです。
■ADHDはできるけど疲れる
普通の人は作業だけ努力すればいいですが、ADHDの人は作業をやる前に、このドーパミンを伝えるというところから努力しないといけないので、普通の人がやらなくてもいいことでエネルギーを消費してしまうのです。
つまり、「できるけど、やろうとするとものすごく疲れるからできない」となるわけです。
このことは、NHKの「発達障害って何だろうスペシャル」で、児童精神科の吉川徹先生が「できるけど疲れる」と解説したことでも一時期話題になりました。
右利きの人が右手を骨折した時に左手でご飯を食べるということを想像してもらうと分かりやすいと思います。
たぶん、ものすごい頑張れば食べれるとは思いますが、ものすごい疲れますよね。
■ADHDは宿題ができない
で、娘の学校生活で一番の「できるけどできない」問題というのが「宿題」なんですね。
宿題がもう、「楽しくないものの極み」なので、どんなに簡単な問題でもできないんです。
そんなわけで、できるけどできない問題を論理的に説明した上で、「宿題は全部できなくてもよい」という許可を毎年先生にもらっています。
↓これは1年生の時に書いた記事ですが…今年度も新たなストレス症状出てます😥
私が口で説明しただけだと信頼度が低いと思ってネットの情報もプリントして渡したりしているので、年度始めの面談前は本当に大変です。
この辺、先生たちの間で情報共有してもらえるシステムでもあれば助かるのになあと思います。