見出し画像

【50年以上!】鉾田事件を裁いた男

 当方が「袴田事件」を知ったのは伊藤塾の授業からでした。体系マスターだかで伊藤先生がちらっと言っていたのを記憶してる。でも、Youtubeに解説動画は無く、代わりに書籍を探して辿り着いたのがこちら。

 書籍は読みたくないけど、事件のいきさつを知りたいよな方は、下のニュース動画を参考ください。

 さて、「完全版 袴田事件を裁いた男」ですが、1968年に静岡地裁の下した判決文を書いた「熊本典道」(当時30歳)を中心に取材した本です。

 本には、熊本は、当時(1968年)、実は無罪の心証を持ちつつも、先輩裁判官との合議に敗れ、極刑を命じる判決文を作成したと告白したとありました。大きく報道され…ともあるのですが、当時の当方は全く知りませんでした。でも、検索した所、下の陳述書を閲読することができました。

普通の人だった…

 熊本元裁判官を取材した著者の尾形さんは、「(この話を)美談にするな」とご本人から釘を刺されてしまったようです。いや、そう書いてあるし、実際、とても美談とは言えないであろうエピソードも多数記載されている。

 そして、本書に散りばめられたエピソードを読むんで実感したこと。熊本は、司法試験トップ合格で世間的にはエリートでもあったそうですが、意外にも普通の人でもあったんだな…と。より正しくは、世間一般にいる大勢の私達市民と同じような感性を持たれていた方と表現した方が良いのかもしれない。

 被告人は、検察の主張通り犯人かもしれない。しかし、弁護側の言う通り、実は無罪なのかもしれない。その葛藤の中、他人様やそのご家族の人生を大きく変えてしまうかもしれない判決文を言い渡す。

 それが裁判官の仕事!と言えばその通りではあるのです。でも、その責務を、ある日、自分が背負ったとして、簡単には割り切れないよね。

少し話が逸れますが…

 本書を読んで思い出したニュースがあります。居眠り裁判員。その行為自体は良くはないと思うのですが。。。。

 4月の傍聴で、自分もほんの少しだけ知ってしまった法廷の空気感。傍聴席でも物凄く緊張する。

 本業として、日頃からお仕事として、その場所に関わるっているのなら、ともかく、裁判員は、世間一般の市民から募る制度。緊張感で脳が強制シャットダウンしてしまう瞬間も…

 いや、それは、あるんじゃないかなと。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集