親になったらファインディング・ニモを絶対に観てほしい
私はディズニーが大好きだ。「ふーん、そうなんだ」とあなたが今思ったその6倍くらいは大好きだ。(知らんがな)
小さい頃から、ほぼすべてのディズニー映画を観てきている。家にはディズニーのレーザーディスクとビデオがずらりと並んでいた。
昔の作品も大好きだけど、やっぱりピクサーが特に好きで。息子も私もピクサーの世界にどっぷりハマっていて、一時期は週に最低3回は何かしらの作品を鑑賞していた。トイストーリー3なんて、100回は確実に観ている。
今回はそんなピクサー映画の中から、「ファインディングニモ」について語らせてもらう。私はずっとこの思いをどこかにぶちまけたかったんだ。いざその時。これぞnoteの醍醐味。
※ここからはファインディングニモのネタバレを含みます。まだ観たことない人はご注意ください。
親になってから全く違う視点から見る、ファインディングニモ
はじめてニモを見たのは、映画が公開された当時の2003年。この時はまだ私は中学生で、海の中の映像の美しさには感動したものの、そこまで内容の衝撃はなかった。ニモが無事戻ってきてよかった〜くらいの感想だったと思う。
そして月日は経ち、母親になってから久しぶりに観た、息子と一緒に。するとどうだい。親目線で観るニモはまったく違う作品のように新しく、今までスルーしていたシーンでボロ泣き。マーリン(ニモのパパ)やドリーの言葉や行動ひとつに重みを感じ、たくさんの気づきがあった。
冒頭から衝撃のシーン
たくさんの卵を目の前に、これから産まれてくる命にワクワクする様子のカクレクマノミの夫婦。そんな幸せなシーンから始まったと思いきやすぐに一転。いきなり大きな魚に襲われる。お母さんはマーリンの反対を押し切り、卵を守るために立ち向かった。そして死んでしまった。
全滅してしまったと思われたたくさんの卵のうち、ひとつだけ助かった卵があった。それが、ニモ。
マーリンはその卵を大事に大事にヒレで包みこみ、泣きながら「もう、何も起こらないようにするからね」と言う。そこでタイトルが流れ、お話が始まります。
もう、ここで涙が止まらない。わずか5分で涙腺やられてしまう。
自分を身代わりにしてでも子供達を助けたいと行動したお母さんに感情移入。そして残されたマーリンの気持ち。自分だったら…と置き換えて考えてみると、こんな悲しいことはない。そこで奇跡的に助かった、たったひとりの息子ニモにこれから過保護になってしまうのも無理はない。
私も、息子のことが大事すぎるが故に、過保護とまではいかないけれど…危ない目には遭ってほしくないし、できれば安全な道を歩んでほしいと思ってしまう。先回りして危険を回避しようとすることもある。
マーリンは、そんな親ならではの願いの度が過ぎてニモに対して超過保護になっている。学校は危険だから、一緒についていく。冒険も危ないからだめ。
片方のヒレが生まれつき小さいニモに、「自分ではできると思っても、お前には無理なんだよニモ!」なんて言ってしまう。我が子を想うあまりの言動なんだろうけど、そんなこと言われたら傷ついちゃう。
ある程度反抗期があった私は、信じてもらえなかったり決めつけられたり、そんな親を突き放したくなるニモの気持ちもわかる。というか親の気持ちも子の気持ちもわかる歳になってからこそ、初めてこの映画のメッセージに気づいたのかも。
ハッとさせられる、ドリーの言葉
劇中でハッとする言葉があった。
マーリンが、いなくなったニモをなかなか見つけられず途方に暮れ、「あの子には何も起きないようにするって約束したのに・・」とつぶやいたのに対して、ドリーが言った言葉。
「おかしな約束ね。こどもに何も起きないようにしたら、こどもは何もできないわ」
なんだか自分にも当てはまる気がして、確かに・・と考えさせられた。
私は「甘えさせる」と「甘やかす」の違いについて一時期悩んでいたことがあった。こどもが親に対して素直に甘えられないような関係にはなりたくないけど、甘やかしてワガママに育てたくもない。
でも、その違いってなんなんだろうって。
このドリーの言葉を聞いて、先回りしてなんでも親がやってしまうことが甘やかすことで、こどもの声にちゃんと耳を傾け、求めることに応えてあげたり、助けてあげることが、甘えさせることなのかもな、と思った。
何も起きないようにしたら、こどもは何もできなくなる・・・この言葉は子育てする中でとても心に響いた。
例えば、外出の時に靴を履くのが遅いとき。モタつくのが嫌でぱぱっと履かせてしまうとか。こんな些細なことも、積み重なればこどもの成長を少しだけ妨げてしまう行動なのではないか。
まずはやらせてみて、助けを求めてきたときに一緒に考えたりサポートしてあげられるような親でありたい。ドリーの言葉を聞いてそんなことを思った。
クラッシュから学びたい我が子への信頼感
マーリンとドリーは、ニモ探しの途中でウミガメのクラッシュに出会う。そう、ディズニーシーのタートルトークで「おまえたちぃ~さいこ~だぜぇ~~」といつもゲストを盛り上げてくれるあのクラッシュ。
あるシーンで、マーリンとクラッシュの父親像の違いを見た。
たくさんのウミガメ達がすごいスピードで群になって泳ぐ中、クラッシュの小さな息子がその海流からふとした拍子で外れて飛び出してしまう。
マーリンは、それにすぐに気付き、あっ大変!助けなきゃ!助けなくていいの?!と焦る。でもそれに対してクラッシュは慌てず、息子がどうするか見守っていた。自力で戻ってくるのを信じて。
そして一生懸命泳いで無事に戻ってきた息子に、「お前最高だぜ〜!」と言う。…そんなシーン。
我が子を信じて、見守る。そして成し遂げたら褒める。
もう、その子育て見習いたい。
「子供が平気って言うんなら平気なんだよ」と、にこやかに言うクラッシュがとてもかっこよく見えた。
マーリンの変化を感じるラストの一言
そして一番注目したいのは、この冒険を通して変わったマーリンのラストの言葉。
無事に日常へと戻った2匹。元気に登校するニモを見送りながら、「いっぱい冒険しておいで」と優しくつぶやいて物語が終わる。私はここで号泣した。(号泣に始まり号泣に終わる)
以前は心配でついて行ってたのに、冒険なんて否定してたのに。こどもを信じられるようになったマーリンの変化がよく現れた一言に、ただただ感動した。
私も、こどもが来年から小学生だ。
まだこんなに小さいのに、私と一緒じゃなきゃ絶対にどこにも行けないと思っているところが正直ある。登校するところをこっそりついて行って後ろから見守りたくなるはずだ。予想ができる。
道に迷ったらどうしよう、変な人について行ったらどうしよう、私の見ていないところで危ないことしてたらどうしよう…
ついついいろんな心配をして口出しをしてしまいそうだけど、ニモで感じたことを思い出し、信じてあげられる親でいたい。たまには口出しもしながら。
この他にも見所がたくさんあるファインディングニモ。続編のファインディングドリーもまた面白いので、また観たことない人はぜひ見てほしい!
他にも、
・ダンボ
・インサイド・ヘッド
・トイストーリー3
あたりも、親目線で見ると感じることがいろいろあるので、そのポイントもいつか書けたら。インサイド・ヘッドなんてもう鼻水ズビズビになるほど泣いた。少しマイナーだけど全力でおすすめしたい。
※追記
トイストーリー3の熱すぎるレビュー書きました
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